2009年7月6日月曜日

ベイジン 上・下

真山仁 著
初版 2008年7月31日

著者は「ハゲタカ」の人。

私も「ハゲタカ上・下」とその続編である「バイアウト上・下」を読んだ。きっかけは多くの人がそうであるように、著作を元にNHKがドラマ化した放送を観たこと。ドラマの出来栄えも評価するが、やはり面白みは原作の方が上だった。

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真山 仁
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著者のそんな「ハゲタカ」シリーズ以外で初めて読むのが本書である。題材が「中国、北京五輪、原子力発電」と事前に知った時点ではそれほど期待していなかったが、敢えて「ハゲタカ」シリーズと優劣をつけるとすれば、本書の方を評価する。

その大きな理由として、「ハゲタカ」よりもリアル感が高い、ということ。中国には約一週間の滞在経験しかないが、その経験とこれまで知る中国人、そして中国文化を総合しても本書の内容には頷くところが多い。私には中国人に対する優越感というものはないのだが、中国に対しては本書にあるような「危うさ」を抱かずにはいられない。

小さいところでは、登場人物もよりリアルに思われた。「ハゲタカ」の主人公がスーパーマン過ぎる面もあったのだが、本書では登場人物をより容易にイメージできた。もっと言えば、親しみ、感情移入できた。

「熱い人間ドラマ」が著者の真髄なのかもしれない。元気な時でないと軽快には読めなかった、逆に元気な時だとより一層元気になった。

本書で不満があるとすれば、その結末。もう少しだけこの先が想像できるような終わり方をして欲しかった。

本書の内容が未来への鋭い警鐘として機能して欲しいと願う。

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2 件のコメント:

  1. リンダママ2009年7月11日 23:07

    おぉぉ、真山さん。
    実はこの人、知り合いです。
    こんなビッグになるとは思ってもみませんでしたが。
    コレはまだ読んでないなぁ。
    時間ができたら読んでみよう。

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  2. 凄い、さすが?リンダママ。
    今度お尋ねします。

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