2009年12月15日火曜日

The Asylum Years

Tom Waits である、ついに...。

アサイラム・イヤーズ
アサイラム・イヤーズ
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トム・ウェイツ
ダブリューイーエー・ジャパン (1989-12-21)
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2017年5月18日補足:あれ、Amazo.co.jp では中古盤しかないぞ。この輸入盤には新品もあるが、妙に高値だな...。とはいえ、安すぎる中古 CD を買うのも怖いよね。

The Rolling Stones のおかげで本格的に音楽にのめり込み、大学では軽音楽部に入りギターをかき鳴らす日々。BluesRock'n Roll を追いかけているときに、どういうきっかけか忘れてしまったが、Tom Waits のこのアルバムを手に入れた。大学三年生の頃だったと思う、二十歳になったばかりの頃だった...

20 歳そこそこのガキ が知る由もない世界を Tom Waitsは教えてくれた。今でもその印象は変わらない。これ以上潰れることはないだろうと思われるだみ声で織り成す世界は 繊細でロマンチックで、滑稽で物悲しい...。

とにかくこのアルバムはショックだった。Bob Dylan や Stones でさえここまでのショックではなかった。

一曲目からこれぞ Jazz としか言いようの無いベースラインから始まる Diamonds on My WindshieldTom Waits のボーカルは歌というより Talking Blues、なんかよう分からんけど、凄くカッコ良い... 魅惑的な夜の世界、Tom Waits の世界に一気に引き込まれた。

二曲目 (Looking For) The Heart of Saturday Night で容易に理解できる?曲調になり、ホッとしつつも夜の世界は深まる一方。ピアノの弾き語りの三曲目 Martha 女性の名前だ。ロマンチックな雰囲気は曲調だけでなく、その歌詞の世界で一層深まる。何者なんだ Tom Waits て?

Grapefruit Moon もピアノ主体の曲。今ではアルバムの中で一番好きだ。満月がグレープフルーツ.... もうそれだけで歌詞とこの曲の世界に引き込まれる。


Grapefruit moon, 
one star shining,
shining down on me...

Burma Shave は対訳を読みながら曲を聴くと、映画を観てるような情景が浮かぶ曲。Tomの曲は全てが映画 かもしれない、音楽だけの狭い世界には留まれない。

このアルバムは Tom Waits が在籍していたレーベル Asylum のベスト版。にも関わらず最後の Ruby's Arms はその後のレーベルだと思う。しかしこの曲が入ってたおかげで Tom Waits にのめり込むのが容易だったと思う。

I'll say goodbye, say goodbye to ruby's arms.
Rubyの両腕にさよならを言うのさ

という他愛も無い直訳では伝わらない世界。女に別れを告げる男の歌、といえばそれまでだが、それ以上の何かがある Tom Waits の世界。

27 歳の頃にピアノを習い始めて、無謀にも三カ月後に発表会に出演。その時に弾いたのがこの Ruby's Arms、バイエルンでクラシックを練習中の私には選曲としては良かったようだ。ライバル?の小学六年生のA君が「来年は僕もあんな曲を弾きたい」と言ったそうなので、演奏の方も悪くなかったのでしょう。

色々な想いが深い Ruby's Arms です。

このアルバムの後、20 枚以上(もっと?)あったTom Waits のアルバムを全て揃えた。一人のアーティストの作品を全部集めた最初が Tom Waits となった。Heartattack and Vine, Rain Dogs 等など、もっともっと凄いアルバムに出会い、僕の音楽の幅を広げていってくれたのであった。

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