2010年2月21日日曜日

立候補を阻止する「チカラ」

政局はもとより、政治にも興味はない。魅力的なものになって欲しいと願ってはいるのだが。

県知事選挙だった。直前まで誰に投票すべきか決めかねたが、昨夜決まった。「白票」を投じなくて良かった。投票も締め切られたのでこの件を書こうと思う。気分良いお話しではないが、敢えて書かせて頂いた。

誰とは書かないが(容易に類推可能)、今回の選挙の政見放送で「浪曲」まがい?を披露した候補者がいた。私はこの放送をたまたま観てしまった。全ての立候補者のことを知らなかったので、めったに見ない政見放送ではあるが、じっくり見させてもらおうと思い用事を後回しにして画面に見入った。

そこへ登場したのがまがいもの?浪曲師、それが「奴」だった。

候補者の名前が全面に映された画面に候補者の経歴が読み上げられた。「ほぉ~、叩き上げか?」と興味を持って待った。しかし登場と同時に、経歴そのままの雰囲気に少しガッカリした。そして始まる浪曲? 最初は「おぉっ、スゲェ~、なんじゃこりゃ?おもろそうだわ」と見入った。

ところが、三分も経たない内に怒りがこみ上げた。

誰かこいつを引っ込めて、次の候補者を出してくれ...

心底そう思った。

万が一そんなことをしたら、「なんとか権の侵害だぁ~っ!!」と何処からともなく叫ばれるのは火を見るより明らか。当たり前だが、この放送も何事もなく最後まで続いたのであった。私こそがチャンネルを変えてしまえば良いのだが、ここでそれをしたら駄目だ、卑怯だ、逃げることになる という何とも言いようのない思いで奴を凝視した。

そして、やっと終わった、長かった...。

次の候補者は全く普通だった。まっとうな政策や主張を掲げておられたはずだが、奴のせいで味気ない普通以下の演説にしか聞こえなくなっていた。

案の定、その直後からネットでは奴の動画がばら撒かれ、面白おかしい批評が展開され始めた...。

何故に、こんなにも奴にイラついたのだろうか?

恐らくこれが他県の選挙ならば、少しはあったにしろ、ここまでは怒らなかったと思う。もっと軽快に無視していたことだろう。

私は少なからず故郷を憂いている。そして

(政治家に)誰がなっても変わらない

というセリフだけは言いたくないと思っている。

私の選挙に対する思いが劇的に変わった事件があった。

何年か前の某大国の大統領選挙の際、とある頭の悪い立候補者のおかげで、その微妙な票の流れが変わり例の大統領誕生となった、という記事を読んだことがある。この真偽よりも、その低くはない可能性こそが重要だと思う。例の大統領誕生がなかったら

起こらなかった戦争
無くならずにすんだ命
崩れることがなかった秩序

があったかもしれない。

歴史に「もしも」は禁句だが、敢えてそうすることで学ぶこともある。

所詮地方選挙、それが戦争につながるなんてナンセンス

という考えはなくなって欲しいと願う。あと少しだけの想像力と行動力だけを発揮さえすれば...

こんな候補者を止める機能を持たせることは不可能だろう。できるのは機能や制度ではなく、社会や文化なのかもしれない。

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