訳 :小野田和子
出版:2014年8月25日
原題:The Martian
原書出版日:2011 (electronic book), March 2013 (audiobook), February 11, 2014 (hardcover)
ていうかさ、今日になっても Wikipedia の The Martian (小説)のページに日本語版がないのですが...。これって、映画版の邦題が「アホ」すぎて、それを隠す「圧力」だったりして。バカバカしい妄想&ジョークです。単に「日本人の興味の低さ」が理由だと思います。
現在購読している Podcast で日本語が聴けるのはバイリンガルニュースと Rebuild 、そしてピーター・バラカンの The Lifetime Musium で、他の 10 以上の番組は全て英語。英国訛りで欧州情勢もかなり聞き取れるようになったよ (^^)v
テレビは見なくなったので、ほぼこの Podcast のみで日本人からの情報を得ている。そんな、Rebuild とバイリンガルニュースで本書のことや映画のことを知った。
実のところ、私は宇宙モノには興味がない方だった。宇宙よりも、この 地球上の神秘 の方に興味があったし、宇宙よりも身近な「深海」の方が好きだった。何よりも、宇宙のことを考えるよりも「人間という宇宙、自分自身という宇宙」のことで「お腹いっぱい」という感じだった。
ところが、ここ数ヶ月前から、Math Dude で宇宙ネタの数学、冥王星の話題を楽しく読んで、宇宙への興味が変わり始めていた。更に、かねてから宇宙ネタで盛り上がるバイリンガルニュースの影響もあって、宇宙ネタを面白く読んだり聞いたりするようになっていた。
そんな影響がなかったら、本書を手にしていなかったかもしれない。こんな興味の広がりは、やっぱり「数学や科学的思考のおかげ」と納得している。本当に、広く深く導いてくれるものだと思います。本書も、科学的思考もオススメです!
最初に知ったのは Rebuild という IT 系 Podcast で、そして本書を読み始めた。その後、最新のバイリンガルニュースで、Michel は映画を観て原書は読んでいない模様、マミは映画はまだ観てなくて原書を読んでいた。Rebuild でも映画の話題になったが、ナカナカ良さそう(そこでも、驚異的に「アホ」な邦題の話題があった。その点は、いつものように映画を観てからボロカスに批判してさしあげます)。
本書を読んでる最中、何度か映画の予告を見ようとしたが、堪えた。私のイメージを壊したくなかったから。すでに Matt Damon の映画での姿を見てしまったので、そのイメージを払拭するのも大変だった。それでも、「映画では彼はこんな演技をして...」とか頭をよぎった。
ただ中盤以降、読む時間を確保できてからは、そんな映画のイメージは吹っ飛び没頭した。けれども序盤では、何故か、翻訳の仕方もありそうで、思ったよりも没頭できなかった。ストーリー構成やキャラクター設定など抜群なのに、何故か盛り上がらなかった。
とはいえ凄いストーリーなのは間違いない。映画化したいのも頷ける。以前はベストセラーの映画化は嫌っていたが、最近はうまい具合に脚色されて良い作品も増えている。所詮、小説の細かさは再現不能なのだ、それを割り切って映像化をするしかない。脚色大歓迎 という感じだ。どのみち、私のイメージとは異なるなら、私のイメージを超える凄いものを映像には期待したいからだ。
「地球の人」のための物語
「火星の人」になってしまった主人公のマーク・ワトニーに、私が強い sympathy を抱いてしまった理由はここには書かない。だが少なからず、彼のように「孤独」を乗り切らなければならない境遇など、70 億以上の 地球の人 は誰でも遭遇する。
私はソフトウェアエンジニアで、もちろん「地球の人」で、マーク・ワトニーが迎えた逆境からは程遠いが、エンジニア的に乗り切らなければならない事態には少なからず数多く遭遇してきた。そんな中、本書で何度もマーク・ワトニーが発するセリフは、私も自分自身に常に発している
一つ一つ解決
見通しは最悪、でもやれることを一つ一つ解決する
今日解決策が浮かばないなら、(風呂に入って)寝て明日考えよう
地球上にいて「窒息死」の確率は低い(石油ストーブや火災による一酸化炭素中毒などは論外)、少なくとも日本にいて「餓死」も難しい(老人の孤独死は別問題)。一見して、戦場でなければ「サバイバル」という言葉は似合わないのが「地球の人」の生活。
過去の私のブログ投稿で、次の用語で検索した結果は
サバイバル:7 件
サバイブ :5 件
「意外と少なかったな」が正直な感想。日々「サバイブする」を意識している割には少ない。多分、ブログでは「そこまで書くのはキツイ」という自然な結果。嘘は一切ここには書かかな方針で一貫してはいるが、自身で書くのが「キツイ」ことは書けないのだ。
脇道にそれたが、言いたいのは「地球の人」でも「サバイブする意識」は必要なのだ。日々乗り越えるべきは「課題」だけ。今日は解決が無理なら、明日やれば良いのだ。
本書は「一級のヒューマンドラマ」ですよ。ていうか「人間ドラマ」的に解釈して面白いストーリーこそ一級のドラマですよね?
宇宙から地球を眺めてみたくなった。神の視点なんかじゃなくて、人間の視点でネ。


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