2009年6月10日水曜日

新型インフルエンザ騒動に見る日本

ブームに乗ることには興味が無いのですが、このテーマが気になり続けて早ひと月。木村盛世という女性を知った最近、その気がかりはピークに達しました。

彼女のことは、とあるメーリングマガジンで少し紹介されて何となく覚えていた名前ですが、今回の新型インフルエンザ騒動で俄然彼女の主張と存在が際立ってきました。

彼女は近頃、国会集中審議で証言しました。

水際対策と称してマスク姿の検疫官が飛び回っている様は
政府の国民へのパフォーマンス

たまたま見ていたニュースで、木村さんとは知らずこの発言を聞いた時は「凄い!」と驚きました。そして直ぐに「あんたは正しい!」と拍手喝采しました。そんな木村さんを与党・厚労省は国会への出席を拒んでいたそうです。相当に厚労省から嫌われているようです。こんな本の著者なら嫌われるはずです。

厚生労働省崩壊-「天然痘テロ」に日本が襲われる日
木村 盛世
講談社
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本書は、今回の国内新型インフルエンザ騒動を的確に予想したものと高く評価されています。

木村さんが厚労省内で「浮いた存在」であるのは容易に想像がつきます。真実を声高に発することが非難される社会はいずれ崩壊すると思います。

既得権益、世間体、護送船団、事なかれ主義、そして品格無きプライド

結局のところ再生には、崩壊が必要ということなのでしょうか?

近頃ようやく、「ちゃんとした」報道TV番組が、今回の騒動の「核心」を徐々に取り上げはじめたようです。例えば、神戸での国内最初の発見は、通常の厚労省の通達に反して、現場の医師の機転で発見できたもの。そのかなり前に国内感染は広がっていた可能性が高いということ。

腑に落ちないのは、この発見を機にこの病院の外来患者数が激減したこと。風評被害である。「落ち着いて行動して下さい」という政府のメッセージと行動は、木村さんの言うように「国民のために何かをやっている」というパフォーマンスでしかなかったように思う。更に多くのメディア(主にTV番組)も国民を煽ったのは間違いない、「国民のための番組を提供しています」というパフォーマンスを示すために。

手に入らないマスク、風評、マスク姿の人々
政府への責任転嫁、メディアへの迎合

日本人はずっと昔からこんなにも「自己中心的で且つ無責任な国民」だったのだろうか?国際社会にさらされた現代、日本が諸外国の前では「子ども」のように映ってしまうのは私だけでしょうか?

結局、選択して行動するのは国民一人一人なのです。

悲しいかな、木村盛世という人が「ブーム」になることはないでしょう。ブームになる必要も無いのですが、「こんな人もいるんだ」と知っていて欲しい。そして彼女のような主張が極端なものとしてではなく、中核であるような社会であって欲しいと思います。

地球には国境という物理的な境界線は存在しません。この人間のみしか通用しない概念を、ウイルスたちは軽やかに確実に飛び越えていきます。

日本社会だけを考える時代でないのは明らかです。時代の流れに合わないものは積極的に排除すべきでしょう。自然や文化など本来残すべきものが失われ、古い慣習や考えなど、改めるべきものが改められていないように思えます。

ウイルスの進化に学ぶところもあるのではないでしょうか?

今後予想されるパンデミック。生き残れる人はワクチンや治療の有無だけではないような気がします。「ヒュウガ・ウイルス」のメッセージは一つの強力な回答なのかもしれません。

ヒュウガ・ウイルス―五分後の世界 2 (幻冬舎文庫)
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