1997年11月1日初版
年末のタイヤ選択時に、印象に残った音楽の如く、頭かはなれなかった「うらみしゅらん」という言葉。タイヤやバイクのこととは関係ないこととは分かっていても、「ミシュラン」という語感だけで頭にへばり付いてた。想像のサイバラ像と共に...。
西原 理恵子 神足 裕司
朝日新聞社
売り上げランキング: 264,000
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当時から「うらみしゅらん」という本があるのも知ってはいたが、さほど興味はなかった。誤解していたのはそのタイトル、「ウラ」を「裏」と思い込んでいた。サイバラがミシュランガイドに対抗して、サイバラ独特の「裏ミシュランガイド」のようなものだと勝手に考えていた。しかし読む前、ネットの情報でそれが「恨み」であることが判明してからも尚、「うらみしゅらん」という言葉は私の脳裏に益々食い込んでいったのであった。想像のサイバラの不敵な笑みと共に...。
書かれた時代的にはバブルの余韻がようやく醒めた頃だろうか、その時代を感じさせるネタも多いが、内容的に古いと感じるほどではない。逆に言えば、書かれれてることは時代とは無関係な真実だからこそ、古さを感じないのかもしれない。
高価で、行列ができて、雑誌にも取り上げられて、みんなからチヤホヤされるお店が、美味しいお店の条件であるはずはない。そんな当たり前の真実をもって、神足氏の深くて?ドラマチック?な文章と、サイバラの超ウルトラ直球の漫画が、有名店(と言われる?)をバッサバッサと切り砕く。多少の誇張はあるにしろ、私は100%彼らの評価を受け入れる。
旨いから高いのか
安いから旨いのか
高いから旨いと思わされているのか/旨いと思いたいのか
高いから/有名店だから旨くないとは言えないのか
安いから/B級だから(声高に)旨いとは言えないのか
そんなことはどうでもよいのだが、値段と旨いが比例することでないのは真実。そもそも個人の味覚や嗜好には個人差がある。自らの味覚や嗜好に従えば評判なんて二の次でしょぉがぁ~!!?とサイバラ調に暴れたくもなる (^0^)
ベビーハムにケチャップを付けて焼いただけで旨いぞ、雲仙ハムは更に良いぞ。ゲソの天ぷら、から揚げはイカ刺身より好きだぞ私は。そんな料理と数万円の料理を比較することからして間違っているのだが、数万円のはその値段に相当する美味しさ(=価値)を求められるという意味では、勝負の前から過酷な条件があるのは確か。だからといって庶民がそんなことに寛容になれる訳がない。
コータリサイバラ流でメシ屋を評価するのは非常に健康的だと、私は思う。が、しかし、上巻だけでも結構なページと内容で、下巻を直ぐには読もうとは思えなかったほどに、お腹いっぱいにさせて頂いた。
そういや、夕方買い物帰りに寄った駅ビルのカレーパンは美味しかったぞ。醒めても美味しい配慮なのか、表面のカリカリ感は嬉しかった。私の味覚はそんなもんですワ。
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