最近知り合った方の薦めで、何の予備知識も無く観た。原作があるようですが、要するに「教会タブーにまつわるサスペンス」といったところでしょうか。
特筆すべきはショーン・コネリーの演技。ショーン・コネリーは、幼少の頃に007を観て以来のファンだが、この演技は素晴らしい。彼以外の役は有り得ない。
面白い映画には違いないのだが、もう少し時代背景や思想的な葛藤の描写が欲しいと思った。原作は長大であるとのことで、ここまでまとめたことへの評価は高いが、もう少し深みが欲しいと思うのは私の勘違いだろうか。たまに哲学の本を読んでいるので、その辺の私の浅い知識をくすぐるようなストーリー展開を期待するのは間違っているのかもしれない。
観終わった後の消化不良の一つに「何でタイトルが"薔薇の名前 The Name of the Rose"なの?」ということ。ちょっと調べたら、映画ではこのタイトルに関する原作の一節が無いそうです。何で無いのかは監督のみぞ知るところ...。
とにもかくにも、ショーン・コネリーの演技に尽きる映画です。多くのジェームスボンドの役者がその後は(私見ですが)パッとしない中、ショーンコネリーだけは別だと思う。最も原作のジェームスボンドに近いのはだと思うが、007後の転身は見事です。ジェームスボンドという強力な個性とその役への高い評価を払拭するのは大変だったと思う。役者という商売も過酷です。
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