2010年10月11日月曜日

生きる (1952 JPN Movie)

監督:黒澤明監督

この作品を初めて観たのは15年以上も前、東京でリバイバル上映された「七人の侍」を観た後だったと思う。黒澤作品は既に数本観ていたが、初めて観る現代劇だった。

あの頃抱いた感想は

今も昔も変わらないお役所仕事を深い視点で風刺

みたいな感じだったと思う。まぁ、単純な感想です。勿論、娯楽作品として当時も十分楽しめた。

15年以上も経て観る今作品はまた違った感想を抱かせてくれた。これはお役所仕事に限った話ではなく、一般の職場、大企業であれ中小企業であれ普通にあること。更には、日常生活でも...。

黒澤監督のこの映画の製作意図を見つけた。

この映画の主人公は死に直面して
はじめて過去の自分の無意味な生き方に気がつく。

いや、これまで自分がまるで生きていなかったことに気がつくのである。

そして残された僅かな期間を
あわてて立派に生きようとする。

僕は、この人間の軽薄から生まれた悲劇を
しみじみと描いてみたかったのである。

「生きる」ということを主題にしたテーマの作品は数多くある。直截的に「生きる」というテーマでなくても、それが根幹にあるのは当たり前かもしれない。だって、希望は「生きる」先にしか ありえないから...。

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