邦題:パーマネント・バケーション
映画に限らず音楽や本など、自分の好きな作品を勧めるのは好きな方だが(近頃はやりたくない気持ちの方が強いが...)、この作品は勧めるのは躊躇する。とはいえ、素晴らしい映画、大好きな映画である。
これは Jim Jarmusch の第一回公開監督作品(になるのだと思う)、彼の大学卒業作品でもある。私が初めて観たのは社会人になってすぐの頃で、Down By Law や Night On Earth を観た後だった。次回作の Stranger Than Paradise も続けて観た。当時は、映像のカッコ良さの印象しか無く、映画の 良さは感じなかった 。主人公の「フラフラ感」に苛立ちさえおぼえた。
それから今回で二回目にして非常に楽しんだ。良さが分かったなどと偉そうには言えないが、良い映画やなぁ~ とシミジミと見入ってしまった。小津安二郎の映画を彷彿したのは気のせいだろうか。Mystery Train で日本人俳優を使ったり、「葉隠れ」を主題にした Ghost Dog も作っているので Jim Jarmusch が日本映画を好んでいる可能性は高い。
この良さを説明する文章表現力は私には無い、残念ながら...。なので、他人に勧めることはしない(出来ない)のであって、自分だけで楽しむのです。
英語字幕で観てるのも当時との違いで、より映像や音に集中しているかもしれない。何気に出会った黒人男性の話に登場する Over the Rainbow(「虹の彼方に」)の後、通りでサックスを奏でる John Lurie(ジョン・ルーリー)のフレーズが Over the Rainbow のフレーズに聞こえたような気がした。そして、映画のエンディングロールで流れる曲は John Lurie のサックスで、明らかに Over the Rainbow のフレーズが入った Jazz。
Permanent Vacation や次作の Stranger Than Paradise など Jim Jarmusch 作品のタイトルには不思議な魅力がある。この二作品はタイトルの意味が分からなかったが、本作品 Permanent Vacation の意味するところは何となく分かったような気がする。それをここで説明するのは野暮なのでしないが、Over the Rainbow のフレーズと共に 感じ取った、とだけ言っておく。
数年前、ギターで Over the Rainbow を弾くのが好きだった。また弾くことにしよう。
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