2015年6月20日土曜日

911 attacks で「禁じられた曲」

日本のテレビ番組などで「音楽の力」という言葉を耳にする度に、違和感というか、照れくさいというか...、額面通りに受け取ることができない。

ずっと昔には、そんな「音楽の力」を素直に信じられる時代もあったと思う。しかし、今の日本に「音楽の力」を感じさせる楽曲は多くはない。少なくとも日本で「ヒット曲」と評される楽曲にそんな力はない。

私は、ガキの頃からずっと音楽好きで、今では広く深く音楽を楽しんでいる。楽器も演奏できる。なので「音楽の力」というものを、私なりには享受している。


禁じられた楽曲たち

そんな「音楽の力」を逆の意味で考えさせられる事実を知った。

911のテロ直後、当日のうちから、アメリカでは「事実上の放送禁止」になった曲がたくさんありました。(略)アメリカで当時1,000を超えるラジオ局を所有していた「クリア・チャネル」という会社(Clear Channel Communications, Inc.)があります。(略)この世界最大規模のクリア・チャンネルの幹部の一人が、自社の各局向けにメールで送ったという「今、ラジオで流すのにふさわしくない」100曲を超える長いリストが外部に漏れ、一週間もしないうちにぼくのところにまで回ってきました。P.141

これは、今読んでいるピーター・バラカン著「ラジオのこちら側で」からの引用。

911テロは、リアルタイムに私にとっても衝撃だった。その当時は、アメリカの会社と仕事をしていたのもあって、事件そのものに非常に関心を持って調べたりもした。「ブッシュ政権の陰謀説」も含めて、色々なニュースを読んだ。

ただ、当時の英語力から読む量は圧倒的に少なく、テロ直後のアメリカの状況を深く読むことはなかった。「愛国心に偏っている」という印象を少なからず感じたが、事実上の「放送禁止曲」があったことは知らなかった。

テロから5年後に観た映画「Shut Up and Sing」で、Dixe Chicks の被った出来事を知った時は驚いた。アメリカの偏った愛国心に酷くがっかりしたものだった。

同じような「規制」は、東日本大震災後の日本でもあったと思う。日本の楽曲には余り興味がないので、詳しくは知らないが、放送が「自粛」された曲は少なからずあったと聞いている。

911テロ直後、事実上放送禁止された165曲は、以下のサイトから参照できる。

Musical responses to September 11th: The list of allegedly ‘banned’ songs
2001 Clear Channel memorandum

本投稿の末尾に、上記の最初のサイトにあるリストから、私が知っている曲を取り上げた。

このリストの不可解さには直ぐに気づく。Peter Paul & Mary のカバーはあるのに、オリジナルの Bob Dylan の Blowin’ in the Wind はない。逆にオリジナルの Martha And The Vandellas の Dancing in the Street はあるのに、Mick Jagger と David Bowie のカバー版は含まれていないのだ。

そんなことよりも気になるのは、その選曲理由だ。強いメッセージを持つ楽曲は頷けるが、単なる「お気楽な曲」も含まれている。「頷ける」とは書いたが、私は放送禁止を決して肯定しない。平時には全くと言っていいほど、テロを連想させる楽曲ではない。連想したとしても、それは個人の自由な想像であって、楽曲には何の罪もないのだ。


音楽に罪はない

John Lennon の Imagine がリストにあるのは理解に苦しむが、同時にリスト化の背景にある不気味さも感じる。

そういえば、テロ直後、日本での追悼集会で数十人の参加者の中で一人が The Beatles の Let it Be をギターで弾き語っていたのを見た(下手な英語で...)。「なすがまま...て、アホちゃう?」と当時は苦笑いした(実際、苦笑いしていた聴衆もいた)。「このリストに入るべきは、Imagine より Let it Be ちゃうの?」と皮肉を込めて思ってしまう。

Imagine が禁止されるなら、Pink Floyd の Wish You Were Here はどうなんだ?「You」の解釈なんていかようにも広げられるじゃないかぁ〜!!と、こんな風に放送禁止のリストなんていくらでも伸ばすことができる。私だったら、QueenBohemian Rhapsody を真っ先に挙げるけどな(笑)

そんな「迫害を受けた」Imagine を、テロ後の9月21日、追悼のチャリティー・コンサート「America: a Tribute to Heroes」で、Neil Young がピアノで弾き語った。Neil Young が発したかったメッセージを強く感じる。



リスト化の背景にあるのは、明らかに何らかの「音楽の力」を恐れてのこと。とはいえ、そんな楽曲を愛している人たちが「悪い方向」にテロと楽曲を結びつけるとは思えない。結びつけたとしても「肯定的に解釈」することだろう。

この Neil Young の YouTube 投稿にあったコメントを抜粋する。

I wasn't expecting this to make me cry like a baby. I think it's because Neil gets John Lennon. You can feel it in his voice. You can see it in his expressions. He gets it. Neil Young is the best singer/songwriter ever.

全くもって同感です。リスナーは、名曲とパフォーマーのメッセージを「正しく」解釈するものなのです。

とはいえ、プロパガンダ的な楽曲があるのは知っている。しかし、そんな曲が、後世に残る名曲になることはない。時代が、歴史が、名曲を正しく選別するのだ。

私は、そんな風に「音楽の力」というものを感じているし、これからも愛し続ける。


私の知っている楽曲

LOUIS ARMSTRONG – What a Wonderful World
BANGLES – Walk Like an Egyptian
BEATLES – A Day in the Life
BEATLES – Lucy in fhe Sky with Diamonds
BEATLES – Ob-La-Di, Ob-La-Da
BEATLES – Ticket to Ride
PHIL COLLINS – In the Air Tonight
SAM COOKE – Wonderful World
CREEDENCE CLEARWATER REVIVAL – Travelin’ Band
DOORS – The End
BOB DYLAN – Knockin’ on Heaven’s Door
GREEN DAY – Brain Stew
GUNS N’ ROSES – Knockin’ on Heaven’s Door
JIMI HENDRIX – Hey Joe
BILLY JOEL – Only the Good Die Young
CAROLE KING – I Feel the Earth Move
LENNY KRAVITZ – Fly Away
LED ZEPPELIN – Stairway to Heaven
JOHN LENNON – Imagine
MARTHA AND THE VANDELLAS – Dancing in the Street
PAUL MCCARTNEY & WINGS – Live and Let Die
BARRY MCGUIRE – Eve Of Destruction
ALANIS MORISSETTE – Ironic
PETER PAUL & MARY – Blowin’ in the Wind
PINK FLOYD – Mother
QUEEN – Another One Bites the Dust
QUEEN – Killer Queen
ROLLING STONES – Ruby Tuesday
SIMON & GARFUNKLE – Bridge Over Troubled Water
FRANK SINATRA – New York, New York
BRUCE SPRINGSTEEN – I’m on Fire
EDWIN STARR – War
U2 – Sunday Bloody Sunday

0 件のコメント:

コメントを投稿