2015年7月30日木曜日

PowerPoint Is Evil:パワーポイントによる死

今でも PowerPoint は「派手に」使われてることだろう。「だろう」としたのは、私がそんな会議や展示会に参加することが、近年ほぼ皆無になったから。
私もプレゼンや提案書の作成等には、OpenOffice の「プレゼンテーション」(PowerPoint互換?)を使うが、常に心がけていることがある。「嘘は書かない」「誇張しない」そして「シンプルさ」だ。この他にも心がけている細かい点はあるが、この三点をしっかり押さえておくだけでも、伝えたいことは伝えられると思っている。

こんな風に、自分なりの方針を早い時期に確立出来たのは「反面教師」の存在があったから。

ずっと前の話。動きだけじゃなく音までも盛り込んだ「派手な」プレゼン資料を、自慢げに作っていた職場の同僚がいた。「派手」なのは看過するとしても、今思い返しても内容は全くもって薄かった。簡単に言えば「理想論だけ」という感じ。数字があったとしても、根拠が不明な概算だけ、「概算」との注意書きもなく。それは彼曰く「ネガティブな表現は避ける!」のポリシーから来ているらしい。意味不明ですね...。

読んでいる途中の著書「How Google Works」の「データに基づいて決定する」(P.210) に、Googleらしいプレゼンテーションに関するものがあった。その一部を引用する。

データ思考は「パワーポイントによる死」がはびこるのを防ぐのに効果的だ。(略)データ・プレゼンテーションとビジュアリゼーションの権威であるエドワード・タフティは、スライドの枚数を減らしてデータ量を増やせ、と説く。「ビジュアルを使った論理展開は、有益な情報を一緒に提示するほど説得力が高くなる。情報が強烈なものであるほど、内容は明確になり、理解度が高まる」P.211

引用されたエドワード・タフティの原文は以下
Visual reasoning usually works more effectively when relevant information is shown side by side. Often, the more intense the detail, the greater the clarity and understanding.

個人的には、この後の一節

This is especially so for statistical data, where the fundamental analytical act is to make comparisons.

も意味深い。

左が、Edward Tufte の投稿記事「PowerPoint Is Evil」。

ちなみに、彼はパイチャートも批判している。

先の引用もそうだが、この投稿で批判しているのは、パワーポイントによるプレゼンテーションそのものではなく、その資料の内容にある。

先のGoogle本の節タイトル「データに基づいて決定する」とは乖離した、意味のないプレゼンテーションのことを「パワーポイントによる死」と表現している。「データに基づく」を「事実に基づく」と変えても同じこと。

好みはあろうが、記事から引用した左図において、好ましいのは下段のチャートだらけの資料より、数字を明確に示した上段の方が好ましいとしている。

チャートが悪いと言っている訳ではない。見難いチャートではダメだと言っている。

以下、幾つか投稿から引用する。

Chartjunk is a clear sign of statistical stupidity. 
チャート狂いは、統計学の知識がない明らかなサイン

今となっては、統計学もデータ分析にも、ある程度の理解ももっている私なので、このフレーズに同感して大笑いできる資格はあると思う。統計学の知識がなかったとしても、事実としての数字を明確に示すことが、決して「ネガティブ」な行為ではない。逆に、見難い数字で、見た目を実際よりは良く見える「歪曲」が、チャートにはできてしまうのだ。

Audience boredom is usually a content failure, not a decoration failure. 
通常、聴衆が退屈な理由は中身のダメさにある、決して装飾の失敗ではない。

本投稿は以下の引用で終わる。

Such misuse ignores the most important rule of speaking: Respect your audience. 
このような誤った利用はスピーチする上で最も大切なルールを無視している、それは聴衆への敬意である。

「演説者の身勝手なプレゼンテーション」て少なくないよね?(笑)

「パワーポイントの活用方法」「あなたのプレゼンを100倍魅力的にする10の方法」とかいう書籍(このタイトルは適当に考えたもの)は、今でもうんざりするほど世の中にはあることだろう。そんな資料に興味はないが、聴衆や顧客など、ケースバイケースに応じて方法は違う。それでも、プレゼンテーション資料の作成の基本は、色々と言われているよりは、もっとシンプルなことだと思う。

少なくとも、聴衆への敬意があれば、退屈なプレゼンテーション資料にはならないと思う。テクニックという「厚化粧」に頼ることなしに。

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