2015年9月21日月曜日

Ex Machina (2015 British Movie)

監督:Alex Garland
脚本:Andrew Macdonald, Allon Reich
公開:2015年1月21日(日本未公開)
この Ava の登場シーンには息を飲んだ。彼女?の全体像を見れば、その見事な?「アンドロイド」の風情に見入ってしまうことだろう。

日本人は、ロボットに「人間らしさ」を求めすぎているとかねてから思っている。そんなものは夢物語で、ロボットには「顔なんて不要」で、究極的には「形」も不要だ。重要なのは AI: Artificial intelligence(人工知能)なのだ。そんなことを映画にしたのが「her」という作品。

映画「her」と本作品に共通点は多いが、描いていることは全く違うと思う。

共通点は「人間とロボットとの愛」。AI を突き詰めた先、本当に知能を人工的に作り上げた先にある「男と女の感情」だ。一見「ドラマチック」であり「バカバカしい」発想だが、そんな感情を抜きにした人工知能を「知能と呼べるのか?」という素朴な疑問は払拭できない限りこの疑問は残る。

ここに書きたい「her」との相違点や他の共通点はあるが割愛する。私の中での楽しみにさせて頂きます(笑)

この映画でも取り上げられている「チューリング・テスト」に「男女の感情」が含まれているとは考え難い。そう考えると、アラン・チューリングが同性愛者だったことが皮肉に思える。
本作品の AvaKyoko が、二人ともに異様なほどに魅力的に見えるのは偶然か製作者の意図か?男どもが願う女性の容姿を狙ったのだとしたら「凄いな...」と思ってしまった。「her」の Scarlett Johanson の「声」も然りだ。アニメキャラやアンドロイドには全く興味がない私ですらそう思ってしまった(笑)

そう、Ava はもちろん魅力的だが、負けず劣らず Kyoko にも惹かれる。でも、アンドロイドなら要らない(笑)

今年のベスト映画(現在までの)

映画の序盤から、登場人物の話し方とその他の雰囲気ですぐに英国映画だと感じた。少なくともハリウッド的ではないと直感。
映画の登場人物には 人以外はほとんどいない。彼ら俳優の出身地を調べると、Ava Alicia Vikander はスウェーデン、Kyoko Sonoya Mizuno は英国系日本、Caleb 役の Domhnall Gleeson はアイルランド、NathanOscar Isaac はグアテマラ系アメリカ。

この出身地の違いは、少なからずこの映画の独特の雰囲気に影響していると思う。というか、こんなアンドロイドが出現するずっと前に、世界ではもっと人種や文化が混在していることだろう。Kyoko が刺身を調理してるシーンもある(笑)
Kyoko という名前と刺身だけじゃなく、Ava が正座しているシーンなど、この映画に妙に日本的なテイストが持ち込まれているのは気のせいだろうか? AI と「 和」の観念が不思議に協調していると感じた。

この "Ex Machina" は、とある米国有名雑誌の現在 2015 年ベスト映画の第 位になっていた。そのランキングは評価するが、私にとって本作品は第 位です。


日本未公開の理由

とはいえ、悲しいかな日本公開はなかった、少なくとも今のところは。

何故に未公開なのか?

この疑問に、とある Podcast である日本人曰く「AIというテーマがマニアック過ぎた」と。それも一理あるが納得はしない。私の仮説は

現在、映画は字幕より「吹き替え」が主流になっている(悲しいかな...)。「吹き替え」は字幕だけより時間も金もかかる。また公開する劇場自体も減少している昨今、日本の配給会社は売れる映画を更に優先する。結果、何らかの賞を受賞するなどの話題性がない限り、B級的な映画が公開される可能性は少ない。

こんな風に自分で考察しながら「Ex Machinaて B 級なのか?」と自問してしまった。「むっちゃ 級なんですけど...」と激しく反論したくなる。

日本では、ロボットといったら「ド*えもん」的なヒューマニズムじゃないと受けないからね。

という、配給会社の声が聞こえそうだが、それが事実なら日本の映画事情(文化事情)は幼稚だと言わざるを得ない。
この映画の結末は衝撃的だ。ヒューマニズムを逆説的に解釈できる結末ではあるが、かなり重い。それも含めて、本作品は傑作だと思う。

先日小説「オールド・テロリスト」について、「映画に勝る小説」的なことを書いたが、早速「想像を超える映像美」を本作品で観せつけられた。何とも嬉しい驚きだ。

DVD 等で観ることができます、少なくとも「her」を気に入った方にはお勧めします。アンドロイドや AI について重要なテーマを示唆しているのが本作品。


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