2015年10月29日木曜日

ベイズの基礎:課題21-1 どちらの薬が効果的?

課題20-4 Clinical Trial(ノーブラ万歳? からの続き。

いよいよ最後のトピックス Topic 21: Learning About Two Proportions に入る。ここでは「二つの割合の比較問題」。今までは「夫が年上である確率」「広告の割合」など、一つの割合に注目してきた。ここでは計算量は増えるが、基本的な考えは同じ。

具体的な算出方法やポイントは、課題を通して紹介。


Activity 21-1: Is the New Drug Better?

課題:ある病気の治療薬 A, B がある。薬の投与後一定期間後、薬 A, B で完治した人の割合をそれぞれ pA, pB とする。調査のポイントは以下の通り
  • 二つの薬は同程度に効果的か?
  • 薬 A が薬 B より効果的である確率は?
  • もし二つの薬が同程度に効果的でないなら、より効果的な方の良さはどの程度か?

これらの疑問に、これまで1つの割合の算出で使ってきた手法で答える。

pA, pB の値は不明で、それぞれ 30%, 50%, 70% を仮定する。

左の two-way テーブル で各組み合わせを表す。例えば、左上角は pA = 0.3 , pB = 0.3 、その右隣は pA = 0.3, pB = 0.5 という具合に。

この two-way テーブルの 9 マスは、9 つのモデルに対応する。そして今回は、どのモデルについても事前情報がないので flat prior を採用して、全て同じ確率 1/9 とした。

調査ポイントは pA, pB の比較なので、先の The flat prior のテーブルから、左の確率に集計される。pA, pB が同じ、pA が大きい、pB が大きい、これらの確率は全て 1/3

尤度の算出
課題:薬の効果を調べるため、その病気の患者を選び、薬 A, B を投与するグループに分ける。投与の一定期間後、完治状況を観察する。その後、観察データにより、ベイズルールを使って事後確率を求める。

ここでは 最も単純な「患者二人」で、次の観測データ { 薬Aを投与された患者は完治、薬Bを投与された患者は完治しなかった } とする。9 つのモデル ( pA, pB ) それぞれで、以下の尤度を算出する。

 尤度 = Prob({ Aを投与された患者は完治、薬Bを投与された患者は完治しなかった })
    = Prob(Aを投与された患者は完治) × Prob(薬Bを投与された患者は完治しなかった)

例えば、pA = 0.3, pB = 0.3 の場合

尤度 = 0.3 × (1 - 0.3) = 0.21

このように全モデルの尤度を算出した結果が左の表。


事後確率

事後確率の算出の流れは左の通り。

先の The Likelihoods の各セルに事前確率の 1/9 を掛けたのが上段の表、セル (0.3, 0.3) の場合 0.21 × 1/9 = 0.0233... という具合。全てのセルの合計値は 0.250

下段の表では、その合計値で各セルの値を割ったもの、セル (0.3, 03) の場合は 0.0233... / 0.250 = 0.0933... という具合。

この事後確率の表から、pA, pB の比較結果の確率を更新する。

0.0933+0.1111+0.0933 = 0.2977
0.1556+0.2178+0.1556 = 0.529
0.0667+0.04+0.0667 = 0.1734

事後確率は「同じ」が若干低下、「Aが良」が向上、「Bが良」が半分近くに低下。

次回は、実験データをもう少し複数にした課題。

課題21-2 Testing Prior( つの確率は同じと仮定) に続く。

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