前回 controlled experiment の重要性を取り上げた。controlled experiment の原則には次の3
つがある
- comparison 比較
- randomization 無作為抽出
- blindness 「目隠し」
1番目は前回取り上げた「プログラム参加者と不参加者との比較」。
Activity 20-2: Pet Therapy
課題:ペットを飼うことは治療行為として有効かどうか調べる。ここでは、心臓病患者を対象に、ペットの有無で病気の改善の違いがあるか調べた。大病院の心臓病患者を対象に、無作為抽出したサンプルを1年間追跡調査した。その結果、ペットを飼っている患者の94%が生存し、ペットを飼っていない方は64%の生存率であった。
この実験では
説明変数 :ペットを飼っているか否か
被説明変数:生存率
を想定している。
ペットを飼っているグループとそうでないグループで比較しているので、1番目の原則は満たしているが、この実験結果から「ペットを飼うのは治療に有効」とはならない。理由としては、患者がペットを飼っているのは本人の意思によるもので、そもそもペットを自発的に飼う人は、そうでない人に比べて健康である可能性が高い。
これが「controlled experiment の3原則」 の2番目「randomization 無作為抽出」。
この実験の誤りは、無作為抽出する以前に「ペットを飼っている = より健康である可能性が高い」という偏りが含まれている点にある。つまり、無作為ではないということ。
テキストには実験の改善方法は紹介されていないが、「無作為にペットを飼ってない患者を選び、ペットを飼わせたグループとそうでないグループで結果を比較」を考えてみた。しかし、それでもシックリこない。「患者に強制的にペット飼わせることができるのか?」という倫理上の問題も気になる、「ペット嫌い」の人もいるからだ。
難しいね。以前から「ペットは患者のケアに役立つ」という安易なレポートを見るたびに違和感があった。「かわいい動物に癒されない人はいない」という決めつけだ。あまりにも安直過ぎる。
「犬好きには悪い人はいない」て相当**な発言だね...。
Activity 20-3: Vitamin C and Cold Resistance
課題:ビタミンCの定期接種は風邪にかかりにくくするのか調べた。ビタミンCを与えるグループと与えないグループに分けて、この 2 つのグループに無作為に選んだ人を割り当てた。ある冬の期間、2 グループの健康状態をモニターしたところ、ビタミンCを接種したグループの 46% が風邪をひかなかった、もう一方のグループでは 14% が風邪をひかなかったという結果になった。
この実験では想定するのは
説明変数 :ビタミンCを接種したか否か
被説明変数:風邪をひかない確率
「controlled experiment 3原則」の「比較」は満たしている。「無作為抽出」の点でも悪くなさそうだが、その後に問題がある。何らかの薬を投与された人は、投与されない方に比べて、健康上の改善を期待する。そのため、薬の効果以上の結果を出す可能性がある。いわゆる「placebo effect プラシーボ効果」。
この課題では、ビタミンCを投与しなかったグループにも、偽薬("sugar pill")を投与する必要がある。これが「controlled experiment 原則」の3番目「blindness 目隠し」。更に、実験者もどちらのグループが偽薬なのか否かを知らない "double-blind" も有効で、意識的にせよ無意識的にせよ、実験者の偏見排除が期待できる。
課題20-4 Clinical Trial(ノーブラ万歳?) に続く。


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