階層型モデルは次の式 9.6 で示される。
ここでは、この式を数学的にではなく、grid approximation「グリッド近似値」を用いてグラフ化することで、階層型モデルを視覚化する。
以下は、左は図 9.2(Aω=2, Bω=2, K=100)、右は図 9.3(Aω=20, Bω=20, K=6)で、同じ観測データ(表 9, 裏 3)。
左は図 9.2 の2行3列目を R で再現したもの。
par(mfrow=c(2,1))
curve(from=0,to=1,
dbeta(x,0.75*(100-2)+1,(1-0.75)*(100-2)+1),
xlab="θ",ylab="p(θ|ω=0.75)")
curve(from=0,to=1,
dbeta(x,0.25*(100-2)+1,(1-0.25)*(100-2)+1),
xlab="θ",ylab="p(θ|ω=0.25)")
ω = 0.75 と ω = 0.25 での θ 分布( p(θ|ω) )で、前回投稿の式 9.4 から、0.75 の β 関数は
beta(θ | (0.75)(100-2)+1, (1-0.75)(100-2)+1)
= beta(θ | 74.5, 25.5)
「K が大きければ θ は ω に近似」するので、左のように ω の値を中心に「狭い山」を形成している。
図 9.2 を詳細に見る。
K = 100 と大きいので ω と θ が近似する、よって 1, 2 行目の p(ω) と p(θ) は近似した分布を示す。
Likelihood 分布は ベルヌーイ分布で θ9 × (1-θ)3 。注目すべきは3行2列目のグラフで、全ての線が ω(縦軸)に平行であること。これは、この尤度関数において、θ は ω に依存しないことを示す。
Posterior(事後確率)をみる。4行3列目の p(ω|D) の分布は、prior の p(ω) と大きく異なっている。これは、β 関数 p(ω) の引数が Aω=2, Bω=2 と「不確定」のため、データの影響を強く受けた結果。
方や5行3列目の二つの分布 p(θ|ω, D) は、prior から変化は見られない。これは K=100 による「ω への強い確信」のため。5行2列目の p(θ|D) の分布が p(ω|D) に近似していることも同様。
左図でも先の図 9.2 同様、図 9.3 の2行3列目を R で再現したもの。
curve(from=0,to=1
dbeta(x,0.75*(6-2)+1,(1-0.75)*(6-2)+1),
xlab="θ",ylab="p(θ|ω=0.75)")
curve(from=0,to=1,
dbeta(x,0.25*(6-2)+1,(1-0.25)*(6-2)+1),
xlab="θ",ylab="p(θ|ω=0.25)")
図 9.3 の1行3列目の p(ω) の「狭い山」(Aω=20, Bω=20 が原因)と比較して左図は「広い山」。これは、ω と θ の「不確定な近似(K=6 の結果)」を示す。
再度、二つの図の prior の定数値を示す
図 9.2:Aω=2, Bω=2, K=100
図 9.3:Aω=20, Bω=20, K=6
共に同じデータを使うため、posterior の違いの原因は、これらの定数値の違いとなる。
次の図 9.3 で、posterior に注目する。
4行3列目の p(ω|D) は prior からほとんど変化がない、つまりデータの影響は小さい。
方や5行3列目の p(θ|ω) では、ω=0.75, ω=0.25 で prior から大きく変化している。特に ω=0.25 の変化は顕著。これらはデータ(尤度関数 θ9 × (1-θ)3 )の影響。
以上、図 9.2, 9.3 の特徴をまとめると
図 9.2:ω への低い確信、ω と θ の高い近似
図 9.3:ω への高い確信、ω と θ の低い近似
「Multiple Coins From A Single Mint」へ続く。
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