Norman Fenton, Martin Neil 著 "Risk Assessment and Decision Analysis with Bayesian Networks" の "第 6 章 From Bayes' Theorem to Bayesian Networks" をもとにした。
以下は本書図 6.1 で、"Train strike(列車ストライキ)" と "Norman late(Norman 遅刻)" の関係。
過去のデータから「列車ストライキが起こる確率」は算出される。例えば
表 6.1:列車ストライキの確率
False 0.9
True 0.1
そして、列車ストライキが原因で「Norman が遅刻する確率」も、経験的に算出できる。
表 6.2:「列車ストライキの確率」のもとで「Norman が遅刻する確率」
Train strike False True
False 0.9 0.2
True 0.1 0.8
T: 列車ストライキ、N: Norman 遅刻 として「Norman が遅刻する確率」は表 6.1, 6.2 から
P(N = True) = P(N = True | T = True)P(T = True)
+ P(N = True | T = False)P(T = False)
= 0.8 × 0.1 + 0.1 × 0.9
= 0.17
17 % が「Norman が遅刻する確率」。
「Norman が遅刻した場合、列車ストライキの確率」は、Bayes' rule から以下のように求まる。
P(T = True|N = True) = {P(N = True | T = True)P(T = True)} / P(N = True)
= (0.8 × 0.1) / 0.17
= 0.47059
算出前(Norman が遅刻する前)は、10 % であった「列車ストライキの確率」が、47 %に更新された。
AgentRisk
AgentRisk では、事象の相関関係の定義に、表 6.1, 6.2 のような確率テーブル値を入力して、Bayes' rule の算出は自動的に行われる。今回のような単純な相関関係では、手計算やスクリプトで算出できるが、複雑な関係の場合はこのようなソフトウェアは不可欠だろう。
最後に、過去に何度も行った「乳がん検診で陽性と診断された場合、実際に乳がんであるある確率」を AgentRisk で求める。事前の乳がん率と検診精度の確率テーブルは以下の通り。
乳がん率
False 0.992
True 0.008
検診精度
Cancer False True
False 0.93 0.1
True 0.07 0.9
次が AgentRisk の結果で、左が確率更新前、右が確率更新後。
右図で、"Screening(検診)" に陽性(True)を設定して、"Cancer(乳がんである確率)" 9 % を得ている、これは実際の計算と同じ結果。前回は算出しなかった
「陰性と診断された場合、乳がんである確率」
は、左のように Screening = False(陰性)として、0.1% 未満の確率という結果を得られる。
「複数要因の BN モデル」に続く。




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