2016年3月19日土曜日

TED Quiet:完璧な人とは?

今回の TED Radio Hour5 つのプレゼンを紹介したもの、そのタイトルは "Quiet" 。単に「静けさ」ということではない。"Quiet" なくして「自分と向き合う」ことはできない、というもの。

ここでは最も印象に残った 2 つのプレゼンを紹介する。


画一化した「個性」を求める過ち

いつの頃から日本でも「個性的であれ」「ポジティブ思考」とか何とか、「あるべき人格」を声だかに叫ばれるようになった気がする。そこで唱えられる「あるべきパーソナリティ」は大抵は

extravert

つまり「外向的」で「性格が明るく活動的」な人。「個性的」とか言いながら、画一的な「理解しやすい人」ばかりが良いとされる。

この反対の言葉が introvert 。下手をすると日本では「オタク」と分類される。読書好きで、一人家で過ごすのが好きな人に「ネクラ」というレッテルを貼ることも珍しくない。

「自分と向き合う」ことは、年を重ねるごとに大切になると思う。精神的窮地に陥った時に、誰かが助けてくれるかもしれないが、最終的に決めるのは自分自身なのだ。そんな「自分と向き合う」行為に長けているのは、extravert な人だろうか、introvert な人だろうか?

私はどちらの人が良い悪いとは言っていない。extravert な人こそが「あるべき人柄」という偏重を問題視しているだけだ。

そんなプレゼンと Susan Cain へのインタビューが "Why Do We Undervalue Introverts?" 。
But then we hit the 20th century, and we entered a new culture that historians call the culture of personality. You know, what happened is we had evolved from an agricultural economy to a world of big business. And so suddenly, people are moving from small towns to the cities. And instead of working alongside people they've known all their life, now they are having to prove themselves in a crowd of strangers. So quite understandably qualities like magnetism and charisma suddenly come to seem really important. And sure enough the self-help books changed to meet these needs. And they start to have had names like "How To Win Friends And Influence People." And they feature, as their role models, really great salesmen. So that's the world we're living in today. That's our cultural inheritance.
少し長いが、extravert に偏重する社会になった経緯が、多少なり分かる。「目立たないと生き残れない」ように思える社会なのが現代で、introvert な人が評価されにくい。

しかし、現代においても本当に成功している人たちの多くが extravert なのかどうか疑問だ。じっくり深く考えて、本当に適切な決定をして行動している人は、introvert な人に多いのではないかという気がする。

そもそも、extravert と introvert に全ての人が明確に分類できない。私自身に問うても「extravert な時期も introvert な時期もあったけど、今は両方だな...」という感じだ。


完璧な人て誰?

テレビタレント?らが、大病を告白するのに違和感を抱く。その意図が分からないのだ。私なら何も言わないだろう。だが、歌手の Megan Washington の「どもりの告白」とも言える彼女のプレゼンには心動かされた。
本当に泣きそうになった。私が同じ立場なら、したくてもできないかもしれない。しかもあんなにもユーモアたっぷりのプレゼンを「どもり」ながらすることは想像できない。大病の告白に「同情」はされても「笑われる」ことはない。しかし「どもり」ながらのスピーチにある「笑われてしまう」という恐怖心は想像に難くない。

そんな彼女のプレゼンとインタビューが ”How Does Singing Help Achieve Stillness?” 。日本語であっても「どもり」のスピーチを聞いたことはないかもしれない。英語ならなおさらだ。

「どもり」の人の苦しみを理解出来るなんて言いたくない。でも、それはその人の「個性」として何事もなく受け入れたい。単に「癖」という感じに。

「どもり」でありながら、立派なシンガーソングライターの彼女を見ると、表面的に人を解釈することの危険性を改めて思い知る。この世に パーフェクトな人 なんているのかな?そもそもパーフェクトな人てどんな人なのかな? そんな人は単に「あなたが好む人」じゃないのかな? 弱点を補う強さもあるし、それが個性なのだ。人を画一的に判断なんてきないのだ。

「何でこんなことしたんでしょうね〜」とか、事情も表層的にしか知らないTVコメンターのごとく、物事を判断することだけはしたくない。大して知りもしないことを、軽々しく口にするのは「いじめ」であり「偏見」なのかもしれないのに。

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