脚本:中村義洋
原作:伊坂幸太郎
短編集「フィッシュストーリー」の最後に納められているのが、この「ポテチ」。短編集のタイトルにもなっていない本作が、こんな風に映画化されたことも驚きだが、とても好きな物語だったので、素直に映画化を喜んだ。
アミューズソフトエンタテインメント (2012-10-26)
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「アヒルと鴨のコインロッカー」「フィッシュストーリー」と見てきたが、本作「ポテチ」が最も原作を「素直に再現」している印象を持った。他の作品は、原作の主要なエッセンスは盛り込みながらも、上手い脚色が多く施されている感じなのだ。とはいえ、「ポテチ」の脚色も良い。
同じ短編集に収録の「サクリファイス」の話が出たのには唸った。そして、あの震災のことも...。
あれがあなたの本当の息子なんですよ、と大西は思うが、「本当の息子」とは何なのだ、と問い返す自分も内にいた。P. 323
小説では、こんな風に状況や心理を詳細に表せる。映像化でこれを文字通りやってしまうと、かなり冗長で、台無しになることが多い。
他の作品同様、本作でもこの辺が上手く映像化されている。
そういえば、昨夜の兄貴からのメールで、「中村専務」が本作の監督と気づく。この画像の通行人役は、竹内結子という噂がある...。
よかったね専務、最後にボールキャッチできて(笑)
だって、ただのボールがあんなに遠くに
自分の正義の尺度
本作「ポテチ」でも、根底にあるのは「正義」。「フィッシュストーリー」の「正義」と比べて「派手さ」はないが、これも大切な「正義」。
なんて発する、日本のコメンテーターやキャスターとかいう人たちの反応が頭をよぎる。「これは小説だから...」はちょっと違う気がする。もっと想像力を膨らませて欲しいものです。
表層的にしか報道されない事件やスキャンダル。あたかも詳細や真実を知っているかのごとくコメントする奴ら。後で誤りが判明しても、そのことに言及したり、反省することはない。
そんな人たちを、そろそろ「偽善者」と呼んでも良いのではないだろうか。
助けられる人は助けたい
「偽善者コメンテーター」に感じるのは、その真逆の姿勢、「寄ってたかっての血祭り」。
他人の評価や基準ばかりが気になる社会は、どこか「住みにくい」、そして「息苦しい」。
あなたの「正義」とはなんですか?
そして、その答えが、その人を表すものだったり、その人の魅力だったりする。
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