脚本:林民生
原作:伊坂幸太郎
「見事」としか言いようがない映像化、既に二回見た。
先日「アヒルと鴨のコインロッカー」を見終えて、「ポテチ」を先に見るか迷ったが、「じゃ、公開順で」との理由で、本作を先に見た。とはいえ「ポテチ」もその翌日に見た。
本作には、「アヒルと鴨のコインロッカー」に出演した役者が出ている、「ポテチ」もそうだ。小津安二郎や黒澤明の作品のようで好感が持てる。「違うドルジ」役の彼を見たときは喜んだ。彼が「アヒルと鴨...」では、一番英語の発音が良かったと思っていたら、生まれは米国とのこと。
さて、出演者も良いが、なんといっても脚本が素晴らしい。「凄い、そう脚色すんのね!!」と何度も唸った。そこで思い出すのが、「小説を単にコンパクトに映像化した」典型と思っている "The Martian" 。面白い映画ではあるのだが
「原作を超えていない」「原作の世界観を深めていない」
脚色具合でいえば、本作は「アヒルと鴨...」を超えているかもしれない。原作の核となるプロットはそのままに、その世界観を見事に「広げて深めた」感じだ。原作を読んだときの感想を「綿密で鮮やかな展開に驚く」と記したが、そんな展開を見事に映像化している。
物語の重要「鍵」となる楽曲 "Fish Story"
僕の孤独が魚だとしたら
そのあまりの巨大さと獰猛さに
鯨さえ逃げ出すに違いない
英語の原作を、英語が堪能でない日本人による「誤訳本」から引用して作られたのがこの歌詞。「こんな風に誤解した、元の英文」が気になって、いくつか考えたが、どれもシックリこない。「魚の話」ではなく「ホラ話」なんですよね(笑)
好きな場面を一つ選ぶならば、(ハイジャックではなく)シージャックでの多部未華子。
そして、そんな彼女を慰める「正義の味方」がこの上もなくカッコ良い。
原作「アヒルと鴨のコインロッカー」を読んで感じた
共通にあるのは正義
「正義に強いも弱いも、大も小もない」ことを思い知らされるし、そして
正義はカッコ良い
「ポテチ(2012 年日本映画)」に続く。
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