Project Hail Mary 著者:Andy Weir 発行:2021年5月4日 |
読める英語本は増えてきたが、フィクションを「読みこなせない」状態が続いている。有名作家の作品を数冊読んだが、本来は面白い話のはずなのに、難しい表現が多すぎて「読みこなせなかった」。「ノンフィクション」はテンポよく読めるようになった(例えば Creativity, Inc. や No Rules Rules など)が、「フィクション」の方は相変わらずなのだ。
とはいえ、「楽しめる本は必ずある」との思いで、本作のことを思い出して手にとった。The Martian が非常に楽しかったので、期待はあったが、読み始めてすぐに「期待以上の面白さ」を実感。オーディオブックも並行して聴いたのだが、この音声が非常に良い。余計な小説のイメージを作るより、むしろイメージを拡大してくれる「創造性あふれるオーディオ」と言える(どうやら、オーディオブック関連の賞を受賞しているようだ)。
ネタバレはしたくないので内容については触れないが、The Martian よりも「フッ」と笑える箇所が多いような気がする。大笑いするものではないが、微笑まずにはいられない物語の展開やセリフが豊富(The Martian も再読したら、もっと笑えるかもしれない)。
英文で読み、オーディブックを聴くと、気になることがあった。それは
日本語のカタカナ表記はどうなってんだ?
翻訳版を読む気はないので、余計なお世話なのだが、どうしても気になった。いくつかあるが、もっとも気になったのは
Astrophage
「アストロファージ」との訳を予想して Google 検索。例えば:
やっぱりな...(笑)
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Wikipedia の「ファージ」によれば
ファージ(英: phage)は、細菌や古細菌に感染して複製するウイルスで、正式にはバクテリオファージ(英: bacteriophage)と呼ばれる。
オーディオブックの発音からは「アストロフェイジ」に近い。
まぁ、こんなこと気にする人も少ないだろうが、それ以上に恥ずかしいのは、映画化決定している本作の邦題タイトル。The Martian を「オデッセイ」と名付ける愚行が繰り返される予感しかしない。付けられてしまいそうな「アホ丸出し」のタイトルは、いくらでも思いつくが、怒りしか湧かないので止めておく。邦題のことは考えないように努力はしているのだが...。
多分面白い映画になることだろう。しかし、The Martian 同様に小説の出来事の多くを除かなければ、約2時間の映画にはならない。アイデアとして、Netflix などの複数シーズンに分けてドラマするのはどうだろう。十分な尺があり、なんなら、小説以上の話を加えることも可能だ。
むぅ、それもどうだろう? 結局、読んだ小説の映像化を、私自身がそれほど期待も楽しみもしていないので、どっちでも良くなってきた。その理由は、面白い小説が「映像化でダメにされる」のが嫌なだけなのだろう。自分の頭の中だけにある「小説世界」を大切にしたい気持ちが強いからかもしれない。
「フィクションを読みたい」のも、そんな理由からかもしれない。
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