| 伊藤くん A to E 著者:柚木麻子 発行:2013年9月25日初版 |
これまで読んだ著者の作品の中で、かなり「ドロドロ」した「重い」雰囲気の作品。そう感じない人もいるかもしれないが、それは「伊藤」という人物を、どう捉えるかに依存するかもしれない。
「伊藤」は『けむたい後輩』の「先輩とその彼氏」を連想させる。自意識過剰というか「夢みがちな人」というか...。
「伊藤」のような人が現実にいるのだろうが、本作の「伊藤」に惹かれる女性がいるのは理解できない。惹かれる理由として「自分にも伊藤のような面がある」のかもしれないが、それでも理解し難い。
無用に藻掻く自分を伊藤はきっと笑うだろう。間違いなく一生、彼は安全な場所から、自分を指さして、苛立ちながら笑い続けるだろう。P.241
いるね、こういう人。私の場合、そんな人の存在は気にしない。なので、登場人物らが 「伊藤の存在」を意識することが理解できない。
そもそも私は恋愛ものが好みではないのだが、柚木麻子本は恋愛本として読んでいないので、楽しめているのかもしれない。
平穏だった頃が心底懐かしい、と修子はつくづく思った。どうして世の中の女性誌はモテよう、モテようと騒ぐのだろう。異性に期待されず、強い視線も浴びず、性を意識せずに漂うように生きることのすばらしさを何故説かない? P.64
女性誌がそんなことを説くわけがない!(笑)
こういうのが楽しくて読んでるのかもしれない。

0 件のコメント:
コメントを投稿