「やっぱり」というのは、これまでも様々な科学的、社会的謎に膨大な取材と深い思索で挑んできた立花隆、最期(になって欲しくはないが...)のテーマは人間の「生と死」、更には自分自身。
自身のガン発病をきっかけに始めたガンの調査と自分自身への取材... その過程には盟友 筑紫哲也の死もあった。筑紫氏のことを話す立花氏の表情から、親交の深さと筑紫哲也というジャーナリズムの偉大さが伝わり、立花氏同様に泣きそうになった...。
立花隆の本は、学生時代から社会人のはじめ頃に頻繁に読んだ。最近はご無沙汰で、久しぶりに読もうとしていた矢先の番組。面白かった、立花氏らしい分析と結論だった。
21世紀の今、ガンは治る病気となり、そのうち完全克服できるものという幻想が... 少なくとも向う50~100年は幻想でしょう。
その理由を上手くここで書けないのがもどかしい。科学的というより生物学的、進化論的な理由。つまり「深過ぎる」ということです。何でもかんでも、物事を単純化して分かった気になるより、この程度の理解で今のところは良いのかもしれない...。
一つだけ印象に残った話。IPS細胞についての京大教授の話。
命を再生するIPS細胞と命を落とすがん細胞が極めて似ている。
生殖能力可能(10数歳)までガンを発生させないというのは
イモリなどが持つ再生能力と引き換えに得た人間進化の際の選択だったのでは?
がんの再発を確信している69才の立花氏。抗がん剤は使用しないという。QOL:Quolity Of Lifeを下げてまで生きるメリットは無いと語る。QOL 「生活の質」ということ。延命「だけ」を目的とした治療はしない、ということでしょう。立花氏らしい。
生きる力も死ぬ力も人間にはある。死ぬ直前まで笑って過ごせるのが人間というもの。
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