2010年5月12日水曜日

天才 勝新太郎

春日太一 著
2010年1月20日 第一刷


人というものは結局のところ誤解する生き物

もしくは

自分にとってオサマリが良い解釈をする生き物

のようです、悲しいかな。

可哀そうなのは誤解された対象なのか、誤解している方なのか? しかし、「勝新」にとってはどちらでも良かったのかもしれない。

天才 勝新太郎 (文春新書)
春日 太一
文藝春秋
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これは勝新太郎の伝記である。「ふぅ~ん、武勇伝なのね?」程度のものと想像するが、むしろ「ルポルタージュ」だと思う。作者の取材と分析力は素晴らしい。

特に私は勝新太郎のファンではなかった。作品もまともに見たことがない、恐らく多くの方が持たれているイメージ
  • 座頭市
  • 豪快な男
  • 中村玉緒の旦那
この程度であった。

更に、余計なことを加えるなら、下着に隠したコカインで逮捕されて「パンツの中に入っていたんだよ」発言。

この本でその理解は大きく変えられた。特に「豪快な男」は違うと思った、むしろ「繊細な男」かもしれない。何よりも究極の映画人だったと思う。

「天才」は多くの人を惹きつけるが、その半面多くの敵も作るのでしょう。勝新もそんな「天才」だったようです。しかし、惹きつけられたその多くは深く魅了されていたようです。

魅力的なものを易々と語られちゃ、そりゃ魅力的じゃないってことよ~

ということで、多くは語らずにおきますが一言

私は人間「勝新太郎」が好き

になりました。

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