2003年11月20日 第一刷
胡散臭いタイトルで、この著者ではなかったら今までは無視してきた。先日読んで著者のことが分かり、前向きに読んだ。
第一部 不動産は人生にとって本当に必要か?
簡単には「持ち家と賃貸はどっちが得か?」ということ。「家を持つ」という満足度やステータスは抜きに、不動産の値段の決まり方や、不思議な不動産市場の実態を明らかにしながら、緻密で明快な説明に納得する。
第二部 6歳の子どもでも分かる生命保険
6歳の子どもに分かるかどうかは疑問、「保険の理屈は宝くじと同じ」というのは理解できる。自身の保険見直しに役立てよう。
第三部 ニッポン国の運命
年金や医療保険などこの国の健康保険制度の悲劇的、ここまでくれば滑稽な状況に怒る気にもならない。
第四部 自立した自由な人生に向けて
「経済的独立 Financial Independence」を考えます。
どのような人生プランであろうとも、経済的独立に必要な資産は
必要額と運用利回りから導きだせます
と、こんな内容。
橘 玲 海外投資を楽しむ会
講談社
売り上げランキング: 126,430
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ここで、本書とは外れる疑問が浮かぶ。著者が主張するような、シンプルで分かり易い主張が、政治や報道の場面で明らかになっていないのか?
推測してみる。
政治の場合は既得権益の保護が優先され、当たり前のことが当たり前にできなくなっている。報道の場合は、スポンサーとのシガラミ(国家予算がついているNHKは政治的シガラミか?)。例えば、生命保険の非難なんぞしたら、その手のスポンサーが付くことは無い。
でもね、結局のところ政治家を選んでるのは国民であり、(分かり易い、耳に優しい)報道を鵜呑みにするのも国民なんですよね。高齢者医療のレベルを下げるような政党を、いまや一大勢力の老人たちが指示するとも思えなし、(自分の子どもの幸せだけを願う)「お受験」に熱心な主婦の主張は大抵正当化され、その背後にある教育費用や教育現場の実態からは逃避...。
この国でサバイバルするには「経済的独立」は重要な武器なのだと思う。
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