2011年1月29日土曜日

癒しの大阪 その五:てっさ・てっちり

その四からの続き。

天神橋筋からミナミに戻り晩ご飯。寒いので鍋、大阪で鍋といえば「フグ」ということになった。「かに道楽」のおかげでカニの印象が強いミナミだが、店の数は圧倒的にフグ料理屋が多いと思う。

この時点ではかなりの空腹で、フグ料理でこの空腹を満たせるかどうか不安だったが、相方のお勧めの店に入る。

写真の「てっちり」一人前で1,980円、シャブシャブできるフグは大きな切り身二切れ、安いよね...。おまけにキャンペーン中か何なのか、「てっさ」(フグ刺身)が27円、切り身の量も十分に入ってます。

鍋の前に刺身をたいらげる。やっぱりよく分からないフグの刺身、脂があるわけでもないむしろ淡白な味は、鳥刺しに近いかもしれない。美味しいのは、次に食べた「から揚げ」の方。鳥唐よりも上品な味で濃厚。追加注文したかったが、これはバクバク食べるものじゃないと思い自粛。

そしていよいよ鍋。鍋?そうです、この単なる紙のようなものが鍋で、熱源は底にある「IHヒーター」。むぅ、ビックリ、色々なものが変わっていくのですね。

やっぱりフグ、良いダシが出ています。一人前を二人で頂いたが、最後の一人前分の雑炊まで量も質も十分で満足した二人。ヒレ酒も一杯だけ頂いたが、これまた格別。

さて話は変わって、このフグ料理屋さんの席に着いてからずっと我々の席の給仕をして頂いた女性のことを書きたい。歳は20歳、もしかしたら10代かと思える雰囲気だが、そのプロフェッショナルな動きには無駄がない。品選びに迷う我々にイラつくこともなく的確なアドバイスをするオーダーの取り方から、配膳の動きの華麗さ、特に雑炊作りの手際の良さには見入ってしまった、そしてヒレ酒に着火する仕草は華麗にさえ思えた。

このプロフェッショナルなお姉さんの名札には「朱」とある。それを見るまでもなく、顔つき喋り方から明らかにチャイニーズ...。複雑ですね、願わくば日本人であって欲しかったと思うが、そこまでの技量やサービスを提供する彼女を称えたい思いもある。彼女が日本をどれだけ理解しているかは分からないが、彼女のサービスには大満足。単純に、逆に日本人が中国本土で中国の伝統的なお店で同じレベルのサービスを提供できるかと問われれば、朱さんのサービスには敬意を表したくなる。お勘定の後、店の前で帰宅する我々にお辞儀をする姿は日本人以外の何ものでもなかった(あの値段でそのお辞儀は、お辞儀の方が良過ぎるかもよ...)。

一部で声高に騒がれる雇用不安。求人数の減少もあるかもしれないが、仕事を我がままに選別する人たちの増加についても憂慮すべきでしょう。これは昨日、前の同僚と飲みながらした話題とシンクロする。いっそ外国人労働者の雇用制度を緩和して、日本人労働者の意識を変えることも必要じゃないかと...。

その六へ続く。

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