邦題 ストレンジャー・ザン・パラダイス
「皆さんこんばんはっ、おぎぃまさひろです」
そんな「月曜ロードショー」的指向(どんなんや?)のこの映画は、Jim Jarmusch監督第二作目、観るのは20年振りの二度目。先日の Permanent Vacation 同様に今回こそ凄く楽しめた。当時は笑う場面は多くなかったが、今回はゲラゲラ笑ったシーンが多かった。
モノクロだったことをすっかり忘れていた。モノクロだからという訳ではないが、Jim Jarmuschへの小津安二郎の影響を確信した。カメラ廻しや、独特「間(沈黙)」の取り方などからも良く分かる。極めつけは、競走馬の名前に「Tokyo Story(東京物語)」と付けていたこと。
Permanent Vacation というタイトルの意味するところは何となく分かったが、この Stranger Than Paradise はずっと分からないでした。しかし、このブログを書きながら気づいた。
ずっと思っていたのは、「楽園よりもよそ者」、という訳(というか解釈)。stranger を「よそ者」としたのだが、何か変な訳でしっくりこない。文法的にも「よそ者」と訳したら than と繋がる比較にはならない。そもそも、「楽園よりよそ者」って意味が分からんしね...。
というように、分からないままにずっと放置していたのだが、ふと気付いた。
楽園よりも奇妙なもの
でも、その意味するところは説明できない。Permanent Vacation 同様に解説するのは野暮です。それでも一つだけ言えば、全くアメリカらしくなくアメリカを描写していること。
そんなアメリカを放浪する3人は、やはり Stranger (よそ者)なのです。おまけにこの3人は俳優ではなくてミュージシャン。John Lurieは知っていたが、Eddie 役のRichard Edsonは Sonic Youthのドラマーだし、Eva役の魅力的な女性 Eszter Balint はシンガーソングライターでバイオリン奏者。通常の映画からしても、3人は Stranger です。
そして忘れられないのが Screamin' Jay Hawkins の I Put a Spell on You で、笑えるほどの無国籍ミュージック。時代背景もアメリカらしさも極力無くされた描写にこの楽曲がなじむこの映画こそが Strange です。
偶然通りかかった所、おぎぃまさひろですに反応してしまい、書き込ませていただいてます。今どき荻昌弘の話題出す人、あんまりいないよなァ、なんて思ってしまいまして。(^^;)
返信削除わたくしも、以前から Stranger Than Paradise の意味が分からずにおりました。 私も、stranger は、形容詞 strange の比較級だと思います。 おそらくこのフレーズを思い付いたきっかけは、"Stranger In Paradise" という歌からじゃいないかなと思っています。 (こちらの stranger は名詞)。 本当かどうかはワカリマセン。 わたくしの推測です。
ジム=ジャームッシュには、Down By Law という映画もあって、この題名の意味もよく分かりませんでした。 以前、英語のネイティブ=スピーカーの友人に聞いたところ、『意味はないけど、規則がらめで気分が落ち込むこともあるでしょ。そんな感じじゃない?』 という返事でした。 ちなみにこちらの映画も面白いですよ。
はるおさん
返信削除コメントありがとうございます。映画のタイトルに思いを馳せるのも楽しいものですね。タイトルにも沢山の意味が込められている思っています。
Down By Law のコメントも書いてますので良かったらご覧下さい。"Down By Law"の意味は、刑務所でのスラング「人を支える、助ける」見たいな意味と聞いたことがあります。
Down By Law に関するコメントがあったんですね。これはまた失礼しました。m(_._)m エントリーがあるかどうかアーカイブを調べたつもりだったんですが、見落としていたようです。Down By Law にそういう意味があったとは知りませんでした。ありがとうございました。
返信削除わたくしが高校生の頃、フジテレビ(だったかな?)が、ノーカット字幕スーパーで、いわゆる文芸作品ばかり放映する番組を始めました。(歳がバレますが) その第一回の放映が Stranger Than Paradise でした。 その番組のおかげでゴダールもタビアーニも、ルイス=ブニュエル、タルコフスキー、ユルマス=ギュネイも見ることができた。 当時はそれをせっせとベータビデオ(!)で録画してました。 懐かしいなァ。
はるおさん
返信削除私の場合、BSの小津安二郎特集をVHSでせっせと録画しました。小津作品の魅力は、それから10年後に知ることとなりました。
「文芸作品」というと、ちょっと小難しいですが、「良いものは良い」です。「良い映画」ってありますよね、それが年齢と共に広がって深まっている感じで、何とも幸せです ^^;