2015年8月3日月曜日

メール返信の心得:OHIO(How Google Works)

メールの返信について、ポリシーのようなものを持っていますか?

メールを開封した場合、いくつかの選択肢がある。十分読んだうえで、読む必要のないものと判断する、読んだうえですぐに反応する、読んだうえであとで反応する、あとで読む(読む価値はあるが、緊急性が低く、いま読むには長すぎる)、である。どの選択肢をとるか、即座に決めよう。それもなるべく最初の二つを選ぶよう心がけたい。使い古された略語だが「OHIO (Only Hold It Once:対処するのは一度だけ)」を覚えておこう。メッセージを読み、何をすべきかわかったら、すぐに行動に移そう。そうしないと、必ずあとで読み返すことになり、それはまったくの時間のムダだ。P.261

これは今読んでいる本「How Google Works」から。つまり、これは Googleで勤務する Googler たちのメール返信のポリシーだ。Googler とは、エンジニアに限らず経営幹部や財務なども含めた Google 社員のこと。

インターネットが普及する前から電子メールを使っている私だが、その当時から私のポリシーも Googler のこのポリシーと概ね同じだ。直ぐに返信できない内容の場合は、その旨を簡潔に記して即座に返信するなど、幾つか加える点はある。

時間のムダ というのがポイントだ。一度読んだら直ぐに返信する方が、再度読んで返信するより効率が良いのは明らか。一度読んで理解できなかったら、その旨を返信するのも良い。相手によっては、分かりやすく説明したメールを返信しくれるかもしれない。

「メールより会って話した方が良い」という主張は間違いではない。そうしなければならない時も少なからずある。ただ、メールで「ちゃっちゃと終わる」ことがあるのも事実だ。昨今は、有り余る容量のサイズの資料を送ったり共有することが可能なので、むしろメールで済ませられることの方が多い。

つまり、「時間のムダ」(ついでに「遠距離の制約」)を排除するには、メールは強力なツールであることは今更ながら強調する必要もない。深夜、北欧のライブラリの開発元にメールで問い合わせて、翌朝回答を得る、不十分な回答の場合は再度質問、大抵翌朝には的確な回答を貰う...、なんとも効率的です。

冒頭の Google のポリシーは、「至極当たり前」のこと。世界でも有数の人材が集まる Google だけができる難問では決してない。とはいえ、そんな当たり前のことをできていない様子を見るにつけ、「当たり前のことを普通にやっているからこそ Google は凄い」とも思ってしまう。


まっとうな会社 Google

従来型の「ピラミッド型で不透明な上司部下の構造」は往々にして見られる。「そんな構造をしていない」と明確に否定している経営者ほど「分かっていない経営者」。

本書の内容は、スマートクリエイティブでなくとも実践できる「ごく普通のこと」ばかりである。しかし、私の経験上から、その「ごく普通のこと」をできるている企業に会ったことない。大企業であれ中小企業であれ。

昨今発覚した東芝の問題は、呆れると同時に「やっぱりな」と思った。東芝と深く関わった経験からもそう思った。日本の企業がやりがちなこと、絵に描いたようにやってくれた、という感じだ。

「まっとうな会社て、少ないのだな...」と悲しくもなった。

本書を読み進めながら、驚きと同時に確信に変わっていったのは、Google のやっていること(主に会社経営のやり方)の全てが、「至極まっとう」に思えてきたこと。冒頭のメール返信ポリシーは、その極一例でしかない。

きみがスティーブ・ジョブズ並みの直感と洞察力を持っているなら、ジョブズのやり方を見習えばいい。でもそんな人間は世界に何人もいないんだ。私たちと同じ "その他大勢" のほうに入る人には、私たちのアドバイスが役に立つかもしれないよ。P.280

スティーブ・ジョブズが率いたアップルと、ジョブズ的なやり方を採用してない Google の違いをはっきり言い表している。むしろ世の中の大半の企業には、スティーブ・ジョブズ的な人材はいない。Google 的な企業経営の方が、大半の企業に有効なのは明らかなのだ。

「Google みたいな頭の良い人材はうちの会社にいないから...」と頭をよぎった経営者の会社には、決してイノベーションは起こせないだろう。

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