2015年9月14日月曜日

魂(ソウル)のゆくえ (1989 ピーター・バラカン)

1989年7月25日文庫版


魂(ソウル)のゆくえ」とは良いタイトルだと思う。

この「ソウル」とは「ソウルミュージック」だが、「何がソウル・ミュージックか?」は簡単には言えない。「R&Bとは違うのか?」「Blues や Jazz はソウル・ミュージックとは呼ばないのか?」などなど、疑問は尽きない。

Marvin Gaye, Aretha Franklin, Otis Redding, そして James Brown など、クラシックなミュージシャンは直ぐに思い浮かぶが、「Michael Jackson はソウルではない」と即答するがPrince  はソウルか?」と問われれば「そんな面もあるけど、微妙だ...」となる。

「何がソウルか」は、本書では著者の好みが多分に入っている、それは仕方のないことだ。とはいえ、私は著者の主張に概ね同意する。

78年に世界的なディスコ・ブームが起こった。このディスコ・ブームがソウルの息の根を止めるものだった。P.213

ディスコミュージックが「ソウルフルな音楽か?」には「NO!!」となる。

「ソウルフルな音楽」と「ソウルミュージック」は私の中ではイコールだ。また「ソウルフルな音楽はソウルミュージックだけじゃない」とも思っている。

Michael JacksonWhitney Houston の登場が20年遅かったら「ソウルミュージック」と呼ばれる曲を演ったかもしれないし、もっと長生きしたかもしれない。ファンの方には申し訳ないが、「魂を名声に売った」彼らの音楽は、私にはソウルフルには聞こえない。単なるポピュラー音楽で「ソウルフル」には程遠い。

魂(ソウル)のゆくえ
魂(ソウル)のゆくえ
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ピーター・バラカン
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文化が違う

So take a good look at my face
You'll see my smile looks out of place
If you look closer it's easy to trace
The Tracks of my tears

Smokey Robinson の歌詞で、当たり前にライムしてるし、少々「甘ったるい」内容も悪くない。とういうことで、Smokey Robinson を絶賛する内容を本書で読んで、聴いてみたが、歌詞以前にボーカルの「甘ったるさ」がダメ。Smokey が代表ではないが、モータウン系はあまり好みではない。Muscle Shoals 系の方が好みではある。

とはいえ

英語の歌詞は、ごく稀な例外を除けば、ライムしなければならない。(略)ライムをしなければ聞いている方が気持ち悪いので、歌詞を作る時に当然ライムする語尾に大変気を配るものだ。P.74

「英詩で韻を踏むことの重要性」は知っていたが、ここまでハッキリ言い切られると、もっと理解が進む。著者が英国人ならではだ。

吉田拓郎トリビュート~結婚しようよ~:やっぱり『精神的鎖国』 」に書いたが、歌詞のことは半分も理解できなくても洋楽を聞く(邦楽に魅力的な曲があれば聞くけど...)。洋楽を好む理由の一つに、この「ライム」があるのは間違いない。「リズムに乗っている」のだ。言葉にはできないが、日本語の音楽では、ほぼ不可能なリズムなのだ。邦楽が「ソウルフルになり得ない」のも、この辺のリズムの違いも大いに起因している。

これは、好みの問題というより 真実で、「文化が違う」と割り切るべきだろう。

音楽のいちジャンルを論じるのは難しい。好みに依存するところが多分にあるからだ。それでも、ソウルミュージックに絞って、黒人の奴隷時代の米国に遡って1980年代までの歴史を振り返れば、ある程度の共通認識は形成できると思う。少なくとも日本人で、本書以上に「ソウルミュージック」のことを語ることは難しいだろう。

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