本書 The Truthful Art: Data, Charts, and Maps for Communication は、Storytelling with Data で知った。目的は storytelling with data の技術をもっと上げたいから。
本書の Introduction を読みながら強く感じたのは、
データ分析はジャーナリズム的
ということ。
牧野洋著「官報複合体」に出会う以前から、私はジャーナリズム的なものが好きだった。文章ではなく、映画や小説も「ある意味でジャーナリズム的な作品」を好む。「リアリティが高い」「現実的なもの」が好きと言い換えても良い。データ分析や機械学習の仕事に魅力を感じている大きな理由の一つが「ジャーナリズム的」と言える。「何かを明確にしたい」のだ。
この Introduction を読みながら、改めてそう感じた。
What I call candid communication is practiced by professionals whose main goal is (or should be) to increase society’s collective knowledge. They usually come from disciplines like the sciences, statistics, journalism, cartography, information design, and so on. Their importance in a world increasingly brimming with nonsense and propaganda is paramount. P.13
私が称する「偽りのないコミュケーション」とはプロによってなされ、彼らの主な目的は(そうであるべきだが)社会の集団知識を増やすことである。それら知識の元は通常、科学、統計学、ジャーナリズム、地図作成、情報デザイン、などである。バカバカしいことや、思想の押し付けに溢れつつある世界において、そんな知識の重要さは何にもまして重要だ。
次の図 Figure 1.10 から、Public Relations 関連(赤い線)は急激に増加している一方、ジャーナリズムに携わる割合の減少傾向が読み取れる。
Public Relations とは PR のことで「宣伝活動」。「バカバカしいことや、思想の押し付け」をジャーナリズムがやってしまうことはあるが、一般の「宣伝活動」にその傾向が強いのは想像に難くない。
Your Inner Skeptic, Your Inner Journalist から:
The world will turn into a much nicer place if more of us learn about what data and evidence are and become more critical as a result. And it’ll be even nicer if we also learn how to convey that evidence in a clear, compelling, and useful manner through data visualizations, infographics, or interactive and searchable tables. P.21
我々の多くが、データと証拠について学び、結果としてより批評的になれば、世界はより良くなっていく。また、その証拠を伝える際、明確で説得力をもって、データの可視化・情報のグラフ化・双方向で検索可能な表を通して行えば、世界はさらに良くなるだろう。
「より良い世界とは?」という哲学的な疑問はさておき、上記のように努めることこそが重要。それをしない人が「より良い世界とは?」を問うのは愚問だ。
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