2022年10月29日土曜日

和音の正体 〜和音の成り立ち、仕組み、進化の歴史〜

和音の正体 〜和音の成り立ち、仕組み、進化の歴史〜
著者:舟橋三十子(ふなはしみとこ)
発行:2022年5月10日第2版(初版:2022年3月10日)

興味深い読み物ではあったが、面白くはなかった。本書が伝えたいことは理解できるが、どうしても著者の感性(もしくは「好み」)が前面に出過ぎたり、単なる一般論だったりで、楽しくなかった。しかし、それは仕方のないことだろう。音楽は芸術で、その仕組みを正確に伝えるのは難しい。「楽しい」「悲しい」の定義が人それぞれなのからして、芸術の解説は難しいのだ。

本書のような内容で私が期待するのは、サブタイトルの通り「和音の成り立ち、仕組み、進化の歴史」なのだが、BluesRock のシンプルな楽曲をもとにして欲しかった。そして、自分の楽器演奏に活用できるものを期待した。

結局のところ、自分で「音楽の分析力」を身に付けるしかないのだろう。


私の音楽史(まだまだ続くけどね)

ということで、「和音」に限らず、自分が楽器演奏にどう取組んできたのかを振り返ってみたくなった。

1. 軽音学部時代
最初に「和音」を意識したのは、ギターを弾き始めてからだ。ただ「和音」ではなく「コード」と呼んでした(今でも「和音」という用語は滅多に使わない)。コードの意味も役割も分からず、譜面のコード進行に合わせて「ジャカジャカ」と「弾き語っていた」だけ。メジャーとマイナーの響きはすぐに判別できたが、時折り登場する「7thコード」は意味が分からず弾いていた。

大学の軽音楽部でバンドを組んだ。当初はエレキギターを「ジャガジャガ」とかき鳴らしていただけだが、すぐに「ロックっぽいフレーズ」を弾き始める。もちろん音符は読めないので、タブ譜を「なぞる」だけ。今思えば「間違ったタブ譜」も多かった。そう気付いたのは、徐々に「耳コピー」するようになって「タブ譜を無視」するようになってから(「タブ譜通りには弾けない」から、弾けるように「変えた」ことも多々)。

軽音楽部では、音楽の趣味と気が合う連中とバンドを組むようになった頃には、自分の弾きたい音楽が定まり、多少なりとも弾けるようになった。その当時、大きく影響された音楽が Blues で、大好きなロックミュージックの「親父」として Blues ミュージックに憧れるようになった。

その影響は、何十年経った今でも変わらない。

そして、ようやく「コードの役割」を意識するようになった、併せて「スケール」も。「このスケールのこの音が Blues っぽいなぁ」程度の意識なのだが...。

2. 社会人時代
社会人になってからもバンド活動は続けた。3, 4 バンドを経験した、オーデションを受けて大きな音楽イベントで演奏したり、米軍キャンプでも演った。多くの大好きな楽曲を、バンドの演奏レベルに合わせてアレンジして演奏した。ほんとんどの楽曲は「耳コピー」で「何となくそれっぽく」演奏できていたと思う。

今思えば、この「何となく」が良くなかった。「音楽的分析」をしていなかったのだ、もっと簡単に言えば「楽曲を理解していなかった」。

そのもっとも顕著な弊害は「弾けた曲が、練習を怠ると忘れてしまう」こと。分析していないため、楽曲の重要な「骨格」を理解していない、よってその楽曲の雰囲気すら即座に再現できない。

音楽的才能が豊かな人なら、分析しなくても大丈夫なのかもしれないが、私にはそんな才能はない(「才能」て言葉は嫌いだけどな)。なので、楽曲を分析して理解するしかない。このことに気付いたのは、バンド活動はすっかりやめて、10年ほど楽器をまったく弾かなくなってから。「楽器演奏にどう取組むべきか」を改めて考えてる中で気づいた。

3. 楽曲分析開始
3年ほど前から、ギターに加えて、ハーモニカとベースを真剣に練習するようなってから、「楽曲の分析」や「音の選び方」を更に意識するようになった。特にベースは、ギターより弦数が少ないためか、音楽理論を学ぶにはギターよりやり易い。ギターでは「じゃらん」と弾けたコードだが、ベースでは「単音のフレーズでコード感を出す」必要があるし、コード同士の繋がり方への配慮も大切。要するに「考えなければ、退屈で単調なフレーズ」なってしまう。

このベースのおかげで、ギターへの取組み方も変わった。

相変わらずアコースティックギターばかりを弾いてるが、ずっと憧れだった「指弾きブルース」をようやく自分のものに出来始めている。基本的な曲は演奏できていたのだが、ある本に出会ってから「あぁ、これこれ、こんな楽曲が弾けるようになりたかった」の連続で、ほぼ毎日のように弾いている。もちろん「楽曲の分析」もじっくり取組んでいる。音楽理論では「割り切れない」部分も Blues には多いが、それはそれで「味」になっているから楽しい。

まとめ
楽器を演奏する理由はたくさんある。最も単純で、真っ先に浮かぶのは「気持ちが良い」から。単に「脳がスッキリする」。仕事でも高い集中力でやっている時は「気持ちが良い」のだが、楽器演奏の気持ち良さとは違う。

なので「気持ちが良い」限り、これからも弾き続けることだろう。「もっと気持ち良く」なりたいなら、楽曲分析は必須だ。

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