シーソーモンスター 著者:伊坂幸太郎 発行:2022年10月25日文庫初版 単行本:2019年4月 |
伊坂幸太郎作品を、最初から出版順に読み直そうと「オーデュボンの祈り」を読んだ印象のためか、本書は「いつもの伊坂作品と違うなぁ」との印象が強かった。当然、同じ作者なので「物語の面白さ」などの共通点は「同じ」。「いつもと違う」の印象が、本作が複数の作家たちとの「企画」であったことも影響しているのだろうか?
本作には「シーソーモンスター」と「スピンモンスター」の二つの物語が収録。当然というか「いつもの」というか、この二つには「繋がり」がある。「ほう、そういう繋がりね」といつものように楽しませてもらった。
個人的には「シーソーモンスター」の方が好み。「確かに、嫁姑って解決できない古くからの問題なのかもなぁ」と、真剣にではなく、微笑みを堪えながら考えてしまった。「解決できないなら、接触を極力なくすなどの回避策を講じる」のは取組み方とアリだと思う。
「争う運命にある」のなら「争いを避ける方法を考える」のもアリなのだ。
著者の作品に登場する女性は魅力的だ、それはデビュー作から一貫して変わらない。同じような女性なのだが、明らかに違う。そして、現実に「いそうでいない女性」。少なくとも私は、そんな女性に出会ったことがない。
そういう「出会い」も、小説を読む理由なのかもしれない。
0 件のコメント:
コメントを投稿