2023年6月28日水曜日

幻の終わり

幻の終わり

原題:There Fell a Shadow
著者:Keith Peterson
訳 :芹澤 恵
発行:1991年6月28日初版(原作:1988年)

かなり時間をかけて読んだ。そうしたのは「文章が詰まっている」からで、じっくり読むことで「文章の味わい深さ」を楽しめるからだ。翻訳する人は大変だろうが、結果的に「読ませる文章」になっている。

とはいえ10年前の私は、本書を楽しめただろうか?多分、今ほど楽しんでいないだろう。この手の物語に興味はなかったし、しかも翻訳だし、しかも「文章が詰まってる」から。楽しめてるのは「読書の楽しみ方」が変わったのが一つの理由かもしれない。

そしてもう一つは、「原作の英文を読んでみたい」の欲望。とはいえ現時点では「読めない」、日本語並みに読めるのはなく、「楽しみながら読める」ほどに英文読解力がない。Fermat's Last Theorem の投稿で書いたことだが英文の「ノンフィクション」なら「楽しめる」自信はあるが、フィクションは難しいのだ。

著者が気になり、Keith Peterson で探したが見つからなかった。その理由は、Wikipedia によれば
Klavan began his crime-writing career using the pseudonym Keith Peterson. Under that name, he wrote the four John Wells mysteries, about a crime-solving newspaper reporter, and also The Scarred Man, his first novel of psychological suspense.


読み終えてから知ったのだが、本書は「ジョン・ウェルズ記者シリーズ」の二作目であること(一作目は「暗闇の終わり」)。それを知っていれば一作目から読んだのだが、それは無理な相談だったろう。そもそも本書を知ったのは、とある作家のオススメからで、「ジョン・ウェルズ記者シリーズ」かどうかも知らずに手に取ったのだ。

Lawrence Block 以来、新しい良い作家に出会えてなかったが、Andrew Klavan は好きな作家になりそうだ。

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