クイーンズ・ギャンビット 著者:Walter Tevis, 訳:小澤身和子 発行:2021年7月1日初版(1983年出版原書:The Queen's Gambit) |
Netflix のドラマで本書のことを知った。またこの翻訳版も、ドラマがきっかけとなりようやく翻訳されたようだ。原書は1983年出版、当時も評価が高かったそうだが、37年後にようやく映像化された理由は興味深い(その理由は想像できるが、ここでは割愛)。
そんな時を経て、大ヒットの映像化に成功させた作品は観たいと思った。しかし、その前に原作はどうしても読んでおきたかった。その逆はない。小説だけで、自分自身の頭で「映像化」したいからだ(なので、本の表紙にドラマの映像が使われるのは好みではない)。
読み始めてすぐに、主人公「ベス・ハーモン」に魅了された。天才少女ではあるが、非常に「繊細」に描写される彼女の内面を「読める」のは小説ならではの魅力。翻訳も良いのだが、それ以上に著者 Walter Tevis に興味を持った。近いうちに、原書を読むことになるだろう。
主人公の「ベス・ハーモン」は架空の人物だが、「天才少女」ということで重なったイメージは Fermat's Last Theorem を読んで知った「実在した」数学者 ソフィ・ジェルマン(Marie-Sophie Germain)。チェスではなく数学なので、物語にするのはもっと困難だろう。とはいえ、脚色も加えて、史実をもとに彼女のことを描くと、面白い物語になりそうな気はする。
将棋は数年前から「詰将棋」を日々やっているが、チェスは全く知らない。とはいえ興味はあるので、原書を読む前に、チェスの基礎ぐらいは知っておこう。
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