殺し屋 最後の仕事 原題:Hit And Run 著者:Lawrence Block 訳 :田口俊樹 発行:2011年10月20日初版(原書:2008年6月24日) |
前作「殺しのパレード」の読後に書いたのは:
残念だったのが「訳者あとがき」を読んだこと。今後のケラーシリーズの「ネタ」が書かれている。訳者がケラーシリーズのファンであることは理解するが、だからといって「ネタ」をバラして良いとはならない。とはいえ、その本を読む頃には、その「ネタ」のことは忘れてることだろう(笑)
幸いなことに完全に忘れていた。なので序盤から驚かされて、「今回はいつもと違う、どうなるんだ?」と、本シリーズでは珍しくハラハラさせられた。ところが、徐々にいつもの「ケラーシリーズ」の雰囲気に。相変わらず「殺し屋の話し」とは思えない物語なのだが、いつものように楽しい。
この辺のことは、巻末の伊坂幸太郎による「解説」がズバリと書いてくれてる:
そもそも、僕は、ローレンス・ブロックから大きな影響を受けている。今回、ケラーシリーズを読み返し、「こういったところを自分は模倣していたのか」であるとか、「自分の作品のあの着想は、このケラーの台詞から来ているのか」であるとか驚くことが多かった。あからさまに真似をしているところもあれば、偶然、同じようなことを書いている箇所もある。P.458
この解説の一部は「3652 伊坂幸太郎エッセイ集」で読んでいたが、まさか本書の解説だったとは。ここまであからさまに「影響を受けている」と書くことに好感が持てるし、伊坂幸太郎がケラーに「謙虚さを感じる」同様に、私は伊坂幸太郎に「謙虚さを感じる」:
おしまいに、小説作法の本(『ローレンス・ブロックのベストセラー作家入門』)でブロックが最後に書いている文章を引用しておく。生真面目で、どこか謙虚さを感じさせる、愛すべき殺し屋は、この作家だからこそ作り出せたのだろう。P.461
ケラーシリーズは本書で終わっても良い感じなのだが、次作『殺し屋ケラーの帰郷』がある。まだ決めてないが、原書で読むことになると思う。
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