2023年10月26日木曜日

(再読)陽気なギャングが地球を回す

 
陽気なギャングが地球を回す

著者:伊坂幸太郎
文庫2009年3月15日第39刷(初版:2006年2月20日)

こうやって再読して、初めて読んで書いた2017年8月の投稿を読み返すと、今回も同じように楽しんだことが分かる。もしかして、前回以上に楽しんだかもしれない。その理由として、登場人物のキャラクターは直ぐに思い出せて、物語の展開により集中できたことがあるだろう。展開や結末は、「あぁ、そうだった」となるように、意外と覚えていないものだ。あるいは、他の作品と「ごちゃ混ぜ」になっての誤解もある。

本作以降の作品を既に読んでいるので、伊坂幸太郎作品について「考察」してる本解説は、以前読んだ時より非常に納得できる。中でも印象的なのは:
とはいえ、先天的に「カカシが喋っても変じゃない」と認識しているかもしれない伊坂幸太郎であっても、それ(=やっぱり不自然な、あるいは超自然の存在)を自然な形で作品に定着させるには、それなりの努力が必要となる。『オーデュボンの祈り』は、完成までに二年を必要としたというが、その大半が書き直しであった。書いて、直し、直し、直し、直し、直し、直し、直したのだ。あるとき丸山健二の「七回直せ」という言葉を(明らかに後天的)学んだ彼にとっては、その直しが当然のことだったという。P.384

プレゼン向けなどで、仕事上の資料を作成の際、私もかなりの回数「直す」。さすがに「七回」は時間的に無理だが、直すことで「良くなっていってる」と実感するのは楽しい。

そして、解説で紹介されているリチャード・スタークの《悪党パーカー》シリーズを読んでみたくなった。伊坂幸太郎がファンだと公言する Lowlence Block 同様に、好きな作家になれば良いなと思う。

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