2024年7月15日月曜日

Furiosa: A Mad Max Saga

Furiosa: A Mad Max Saga

脚本:George Miller, Nico Lathouris
監督:George Miller
公開:2024年5月24日USA(2024年5月31日JPN)
邦題:マッドマックス:フュリオサ
「全米の公開直後の評判が芳しくない、噂される次回作 "Wastelans" の制作は怪しくなった」などの記事を読んでいた(‘Furiosa’ Box Office Puts Brakes on George Miller’s Next ‘Mad Max’ Movie)。前作の "Fury Road" はその年のアカデミー賞最多6部門を受賞、本作へ期待するなというのが無理な相談。海外の批評はそれなりに評価しているので、この評価は残念に思ったが、結局のところ、自分の評価が最も大切。なので YouTube 等でたびたび「Furiosa の解説動画」等々がレコメンドされたが、ことごとく無視(「興味がない」クリック)して、本作の情報を回避してきた。

そしてようやく観た、二日連続で二回観た。Fury Road は初め観た時は「なんじゃこれは?Mad Max なのか」と良い印象はなかったが、その後は年の瀬に観る習慣?になり、おそらく10回は観た。本作は Fury Road の前日譚ということで、物語にすんなり入れたこともあってか、2時間半の上映時間はあっという間に過ぎる。

Mad Max シリーズのキャスティングは素晴らしい、毎回魅力的な「新キャラ」が登場するし、過去のキャラクターが継続登場するのも楽しい:
George Miller の好みなのか「Mad Max の世界観」なのか、「力強い女性」が多く登場する。

このセリフは Fury Road を観ていると胸に響く:
台詞ではなく「アクション」(仕草)で「語る」のがこのシリーズの魅力。これも何気ないシーンだが、「多くを語っている」と思う:
ここは the Wasteland
これ、Fury Road からのお約束だよね?(笑):
Remember me?
Fury RoadFuriosa も発したこの台詞、日本語訳はどうしたのだろうか?「私のこと覚えてる?」は何だか違う。この辺が翻訳の難しいところで、Furiosa の個性や、この時の状況や想いで訳し方は変わる。私ならこう訳す:

覚えてるか、私のこと?

Fury Road との訳とは違う気がする、状況が違うから。

Anya Taylor-Joy は The Queen's Gambit で好きになった、彼女の声も良い。習ったバレエのためか、本作でのアクションも素晴らしい。ただ、台詞が極端に少ない。それはそれで良いのだが、彼女の声から「やっぱ Charlize TheronFuriosa とは違うなあ」との印象は拭えない。この Anya Taylor-Joy Furiosa も勿論素晴らしいのだけど...。


二人の George

1978年4月4日の「ノーツ:コッポラの黙示録」から:
フランシスは後になってこんなことをいった。
「ジョージは主要部門で受賞できなかったから、また挑戦するさ。口では監督を廃業して後輩に映画を演出させるなどといっているが、間違いなくカム・バックする。まだまだ映画を監督する。彼は勝つことにこだわる男だからな」P.269

この「ジョージ」とは George Lucas のことで、「受賞できなかった」のは第50回アカデミー賞の「作品賞」と想定。Star Wars, Star Wars: The Empire Strikes Back の最初の二作は今でも好きだが、その他の Lucas 作品は良いと思えないし、ほとんど観ていない。

George Lucas と George Miller、二人とも80歳(Miller は来年80歳)。それぞれ Star Wars, Mad Max の「生みの親」。どちらも素晴らしい監督なのだが、「Mad Max 好き」の私としては Miller の方を好ましく思ってしまう。Lucas は今では監督というより「ハリウッドのセレブ」の印象。

早々に引退するか、作り続けるか。その選択は人それぞれで良いと思うが、「良いものを生み出す喜び」は何物にも変え難いのは事実。

George Miller の作り出す "Wasteland"、私は観てみたい。

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