死神の精度 著者:伊坂幸太郎 発行:2012年7月15日19刷、初版2008年2月10日(単行本:2005年6月) |
2018年2月に初めて読んだ本作、今回も「都合よく」物語の大半を忘れていた。「死神対老女」が「良い話だった」との記憶はあり、「旅路を死神」は「売店に向かう場面」を鮮明に覚えていた。そして死神が「ミュージック好き」なことも。覚えていたのはその程度。
前回の感想で
「伊坂作品の最下位作品かも...」となっていた。
となっていたが、今回そうは思わなかった。まぁ、この感想は「中盤まで読んだ感想」なので、当てにならない。
何千年も世の中を見てきた「死神」の視点や意見は、現代社会では「ズレてる」と捉えられがちだが、実は「本質を突いている」のかもしれない。その辺は前回も書いたので割愛。
前回読んだ際は気付いたのか記憶にない...
「GOD」青年は静かに口を開いた。「英語で描いたんだ」確かに、青く描かれた模様は、よく見れば、アルファベット三つを並べたものだ。「おまえのものなのか?」「神が?」「塀だよ」「ああ、違う。ここは俺の塀じゃないよ」「どうして、GODなんて描いたんだ?」私たち死神も、一応はその神の一種なんだと言ったら、末席を汚しているのだと謙遜したら、この彼は何と言うのか、と私は想像をする。P.227
「この彼」とは『重力ピエロ』の「春」。「スプレー缶を振っている」の記述で瞬時に気付いた。
そんな『重力ピエロ』との繋がりよりも、本書中の物語同士の繋がりが心地よい。藤木一恵の「唄」、古川朝美の「ジャケット」...。もしかして他にも「繋がり」はあるのかもしれないが、私が気付いたやつだけでも十分に楽しんだ。
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