2025年1月20日月曜日

A Complete Unknown:違和感の訳

Bob Dylan の伝記映画 "A COMPLETE UNKNOWN" のことは3年以上前から知っていた、Dylan を演じるのも Timothée Chalamet との情報もあった。ところが、なかなか公開の話はなく「製作中止か?」とも予想したが、嬉しくも裏切られた。全米では去年の年末、日本では来月28日に公開とのこと。

予告編等を見ながら、即座に抱いた違和感は

Suze が似てない...

Suze RotoloA Freewheelin' Time: A Memoir of Greenwich Village in the Sixties を読むと、彼女の魅力が分かる。彼女は、この映画で Dylan の次に楽しみにしていた人物でもある。だが「この女優じゃないだろ...」との違和感、しかも彼女だけが実名と違う... 「Sylvie Russo て誰??」
People

Sylvie Russo を演じた Elle Fanning は好きな女優(We Bought a Zoo などで知ってた)なのだが、イタリア系の Suze とはイメージが異なる。

少しネット検索してわかった。その理由は上記画像の People 記事のタイトル通り:
Rolling Stone
冒頭部分だけ訳す:
Mangold won’t say it directly, but Fanning says she was told it was Dylan himself who wanted the film to avoid using the real name of his first New York girlfriend, Suze Rotolo, who died in 2011. 
(本作の監督と脚本を担当した)James Mangold は直接的には話そうとしないが、(Suze Rotolo に相当する役を演じた)Elle Fanning によれば、Suze Rotolo という本当の名前の使用を避けたかったのは Dylan 自身だと聞いたとのこと。Suze Rotolo は Dylan の最初のニューヨークのガールフレンドで、2011 年に亡くなった

日本語訳しなかった箇所にこそ「Dylan の真意」はあるようだが、ここでは割愛。「Dylan らしいな」と思うし、その意向を汲んだ監督にも敬意を表したい。

映画 "A COMPLETE UNKNOWN" の公開に併せて放送された NPR Fresh Air Joan Baez / Suze Rotolo / Al Kooper On Dylan を聴いた。Al Kooper の話も面白いのだが、やはり Suze Rotolo が魅力的だ。

タイトルの良し悪し

やっぱり邦題に突っ込みたくなる。まだ作品を観てないので、現時点で判断するのは良くないのだが、「名もなき者」って...。"a complete unknown" 自体は "Like a Rolling Stone" の歌詞の一部なのは言わずもがな。

How does it feel? How does it feel?
To be without a home?
Like a complete unknown?
Like a rolling stone?

この歌詞の "a complete unknown" と「名もなき者」がどうしても結びつかない。「名もなき者」は Dylan を指しているようだが、歌詞の方では Dylan 自身を表してない。とはいえ、そもそも "A COMPLETE UNKNOWN"  のタイトルで良いのか?と疑問を抱いていたら、Dylan 本人のコメントがあった。そのタイトルに対して "what a title!"「なんてタイトルだ!」と反応してる(笑)
映画の元になったと言われる本 "Dylan Goes Electric!" と同様のタイトルがカッコ良いが、それだとニューヨーク時代より「あの日」にだけ注目したタイトルになってしまう。

いずれにせよ「名前付け」は意外と大変で、センスが問われるものなのだ。まぁ、作品を観てから、このタイトルの良し悪しは考察することにしよう。

ところで、映画 "Any Day Now" のタイトルも Dylan の楽曲 "I Shall Be Released" から。このタイトルは良い。しかし、邦題は「最悪」(笑)

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