2025年3月2日日曜日

実験4号 後藤を待ちながら

 
実験4号 後藤を待ちながら

著者:伊坂幸太郎、山下敦弘(のぶひろ)
発行:2008年5月23日第2刷、初版2008年4月25日

伊坂幸太郎作品を出版順から再読中だが、本書『実験4号』だけは読んでいなかった。「The ピーズを題材にした作品?」と知って興味はあったのだが、後回しにしていた。伊坂作品を出版順に再読を始めて、本書も当然のように「その順番」に入れた。実は訳あって「3月中に読む」という条件を設定。そのため、先月2月から再読のペースを上げて、遂に本書に辿り着いた。

初めて読む作品なので、楽しみではあったが「期待はずれ」の予感も少なからずあった。理由は「The ピーズ」にある。

The ピーズは、大学の軽音楽で同じバンドのドラマー「コウノ」から教わった。洋楽ばかり聞いていたので、しかもインディーズっぽい日本のバンドに抵抗はあったが、聴いてびっくり。歌詞もぶっ飛んでるが、ギターの音やフレーズがカッコよく、スリーピースバンドとは思えない重厚さに感心した(後にベースの良さにも気付く)。

このCDカバーは鮮明に覚えている:
Greatest Hits Vol.2
楽曲「バカになったのに」は、いまだにメロディと共に記憶にある:

中学まではまともだった
まともだったのに
さんざん無理してバカになった
バカになったのに

とはいえ、The ピーズにどっぷりハマることはなかった。良いバンドだと思ったが、私の好むバンドや楽曲とは違ったのだ。なので、The ピーズのことについても詳しくはない。

そんな状況で本書を読み始めたが、期待以上に面白かった。現実のバンド(The ピーズとは言及されない)を取り上げて、未来の視点から描いたフィクションで、非常に上手いストーリー。「ロックンロール」をテーマや題材にするのは容易じゃないが、著者の描くロックンロールは「うんうん、そうなんだよな」と共感するところが多い。

「それロックじゃないなぁ(意味:良くないなぁ、それ)」と同僚に言ったところで「は?」と言われるのがオチ。もう少し近い世代の同僚の女性からは「ロック?矢沢永吉ですか?」と反応される始末(泣)

おそらく、「ロックは死んだ」という発言は、これからも発せられるだろう。

だから何?! 私にとって、ロックという「音楽と概念」は死ぬことはないのだ。

何度も「ロックは死んだ」と
評されるほどの存在感
それがロックンロール

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