地図上では「ここ」、知多半島の南に位置する「島」です:
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なので行くことはないと思っていた日間賀島だが、常滑市出身で現在も「限りなく常滑な知多市」に住んでいる同僚の「ヒロシゲ」と行くことになった。彼も10年以上ぶりの日間賀島とのこと(島内マラソン大会?に出場して以来、とのこと)。
当初は「三重の牡蠣を食いに行こう」と私から提案したが、諸々の事情で私の方から取りやめにした。その後、ヒロシゲから「日間賀島に行きませんか?」との誘い。「フェリー乗り場までオートバイで行く」と主張したが、ヒロシゲから却下され、朝8時の電車で出発、10時5分発のフェリーに乗ることになった。
なぜこの時間発のフェリーかといえば、11時から14時までの昼食を予約したから。ガッツリ3時間、飲み食いするため。
島に到着、ご覧のように快晴、風は若干強い:
この「タコのオブジェ」のことは後ほど触れる:11時の昼食の時間まで、30分ほど島内を散策。天気も良くて、観光客も多い、宿泊客も多そうだ。美味そうな「天ぷら」の店はすでに満席の様子。
最高の食事
予約の店は「ここで良いのか?」の店構えの中平(なかへい)、案内されたのは個室というか「誰かの家の昭和の畳部屋」という感じで、相当リラックできる。予約したのは「ふぐ・たこコース」らしい。「ふぐの皮(てっぴ)」などの前菜をビールで頂きながら、ボチボチを食事は始まった。
何人か登場した「中居さん」のことを触れると話がややこしくなるので割愛するが、「島の人だなぁ」てな感じの人たちで、料理同様に味わい深かった。
ふぐ刺身(てっさ)
ふぐの刺身は何度か食したことはあるが、食べる度に「上品かもしれんが、味は特にしないけどな」となっていた。しかし、今回は違った。厚みに切った刺身のせいもあるが「味わい深い」のだ。それともトラフグだからか?
日間賀島のたこ丸ゆで
と、ホームページにあったので「タコ丸々一匹」と思ったが違った(「丸茹で」はしたが「切ってます」てことか?)。「今はタコの旬ではない」ので期待してなかったが、かなり美味い。茹で方が上手いのか、タコ本来のものかは不明だが、非常に柔らかい。「クチャクチャ」と噛み切る感じではない。
この時点で「日間賀島の魚、凄いな...」と満足なのだが、コース料理はまだまだ序盤。
車海老オドリ
「踊り食い」は積極的に食べたいとは思わない、「そんなに違うか?死んでから食えばいいじゃん!」。そもそも生きてると「食いにくい」。そんな私の好みを逆撫でするかのように、かなり活きが良すぎるエビ、頭を少々外しただけで「飛び跳ねて」なかなか 死んでくれない。「踊り食い」てそんなものだろうが、やっぱり 食いにくい。最終的には食ったけどね、美味いよ車海老は(エビフライの方が良いと思うが...)。
既に満足感は高い!
「ふぐ寿司」は初めて食べた。高級寿司には行ったことがないが、ネットの動画等で知ってる範囲では、ふぐ寿司を提供する寿司屋は珍しいだろう。刺身であれだけ美味いフグなのだ、その寿司の美味さは書くまでもない!
白子
コースにない逸品。
食事の初めの頃「見た目、女将らしき人」が「中と大サイズ」の白子を皿に載せて「鍋に入れるか、焼きでどうですか?」と。トラフグの白子、値段は「中が3,000円、大が4,000円」。迷った、外国人が食った反応は見たことあるが、私は白子を食った記憶がない。ヒロシゲの反応が前向きだったのと、「せっかくだから」の気持ちで「中サイズを焼き」で注文。
写真は、二つに切って焼いて提供された一つ。見た目は餅みたいだが、食ったら驚きの味!!
目隠して食ったら「超々美味いクリームシチュー」とも言えるし、焼いた表面の香ばしさから「シチューとは別の美味しいもの」も想像できる。とにかく 表現が難しい味。外国人が美味しいウニを食った時の反応に似てるかもしれない、それほど「言い表せない味」なのだ。
余談:初めて日本で納豆を食べたフランス人が「コーヒーとチーズをミックした感じで美味しかった」と言ってたのを思い出した(笑)
私は珍味を好む方ではなかったが、今回の「白子体験」で「珍味も良いかも」となった。
ふぐ唐揚げ&茶碗蒸
たとえ話を続けると、この「ふぐ唐揚げ」は目隠しテストにおいて「美味い鳥の唐揚げ」と応える人が大半だと思う。唐揚げは最も「フグの旨み」が閉じ込める調理法かもしれない。鳥の唐揚げの油が「むっちゃ上品になった唐揚げ」を想像してみてください!!茶碗蒸は良い。外国人は「プリンとのギャップ」に驚くようだが、出汁の効いた優しい味に皆さん感心する。今では茶碗蒸を「代表的な日本料理」とすすめる私だが、ガキの頃に晩飯で茶碗蒸が出ると「苛立ってた」(笑)それを今食ったら凄い美味いとは確信するが、「常に腹がへってた」当時の私は、茶碗蒸の「繊細な美味さ」は理解できずに「ガッツリ量を食いたい」、そんな幼い頃の自分だった...(笑)
そんな昔話をヒロシゲとしながら感じたのは、「こんな料理を、10年前は今のように美味いと楽しめただろうか? 美味しい料理を美味しく味わえるようになっていることに感謝するしかない」と。
時間は午後12時半を過ぎようとしてるが、鍋を始める様子のない我々を見かねてか、(最も島民風の)中居さんが「微妙なプレッシャー」をかけてくる。実際、鍋のことは忘れるほどに、それぞれの料理が美味いのだ。
ふぐ鍋
ヒレ酒
ということで鍋開始。(島民)中居さんのアドバイスは「ポン酢使わんでも良いよ、鍋の出汁だけで美味いから」と。出汁といっても「昆布と水、そしてフグの旨味」。結果、確かに中居さんの言う通り!
日本には色々な鍋料理があってどれも美味しいのだが、この「ふぐ鍋」は別格な気がする。私個人の日本料理の表現に「中国料理はプラスする料理、日本料理はマイナスする料理」がある。素材本来の味を楽しむことを、究極まで求めるのが日本料理ということ。この「ふぐ鍋」はそんな私の考えを体現する逸品と言える。
これもコースにはないが、是非飲みたかった(2011年大阪で、てっちりテッサの安い店で飲んで以来)。日本酒が慣れていないようなヒロシゲの反応は微妙だったが、私には「味わい深い逸品」だった。通常の日本酒は「するする」と飲むのだが、これだけ「深い味わい」と飲むペースも緩む。
そんな歩きの途中、再び「タコ登場」(右側の奴)。
そして、鍋の最後はもちろん 雑炊。卵とご飯を入れただけで即完成(写真は撮ってない)。この時点で(ビールでお腹が膨らんだ)ヒロシゲは「まだ食えますか?」と心配顔。「ぜんぜん大丈夫、余裕で完食」と応えた。その通り、余裕で食い終えた。
まとめ
「高級料理や、値段の高い料理に興味がない」としていたが、高くてもそれに見合った料理が存在することを痛感させられた。どれも「身体に優しい味わい」で、こんな料理なら永遠に食べ続けられる感じ。実際、かなりの量なのだが、満腹感より幸福感に満たされて、食欲は落ちることはない。初めて日本料理を食する外国人が「食べるごとに食欲がわく」と言ってるのを聞いたことがある。今回の食事で私自身がそのことを体現した感じだ。
そして、食事自体も大切なのだが、一緒に食事をする相手も大切。ヒロシゲとは今の会社で同僚になってすぐに親しくなり、以来6年半ほど、なんだかんだと仲良くやってきた。当初は「野郎二人で小旅行て...」と今回の計画に何色を示していた私だが、相手次第では楽しいものになることを知らされた。
これまで6年と半年ほど愛知県で過ごしたが、いわゆる「名古屋メシ」で「これ」というものに出会わなかった(引っ越して直ぐの「モーニング」は衝撃だったが...)。日間賀島のメシを「名古屋メシ」とするのは異論があるかもしれないが、「愛知県で堪能した最高のメシ体験」が今回だったのは間違いない。
タコ踊り
小一時間ほど、島の周囲をこんな感じで散策:
海は良い!!地元長崎で見る「海の景色」とは違うが、海を近くに見ると安心する自分がいる。何時間でもこの景色を眺めながら歩いても飽きることはない。
このタコ、扇子と鉢巻き姿なのだが、「タコ踊り」を知らない人はどう思うのだろう(「クルマの挙動」を指すことは知らなかった)。海外で devilfish とも言われるタコは、おそらく日本を除いては「タコ踊り」するようなキャラクターではない。まぁ、生きてる状態の「見た目」で食い物を判断したら、日本の海鮮は成り立ちません(笑)
帰りは、行きと同様に屋外デッキ:
行きと違ってかなりの強風、我々を除いて多いときで5名ほどいたが、最初から最後まで居たのは我々だけ、それほどの強風。ヒロシゲ、帽子が飛ばないように終始頭を手で押さえてる姿勢、見てて「痛々しかった」(笑)
帰りは、行きと同様に屋外デッキ:
行きと違ってかなりの強風、我々を除いて多いときで5名ほどいたが、最初から最後まで居たのは我々だけ、それほどの強風。ヒロシゲ、帽子が飛ばないように終始頭を手で押さえてる姿勢、見てて「痛々しかった」(笑)
帰宅したのが午後6時過ぎ、通常なら腹が減ってる時間帯なのだが、いつもの空腹感がない。昼飯を食い過ぎた、という感覚ではない。「昼食の満足感が継続」てな感じで、ビールを飲んでノンビリ過ごして就寝。
しかし案の定、朝4時ごろに「腹へった」で目覚めることになったのは言うまでもない(笑)
頂き物
翌日、会社オフィスに出勤した際、ヒロシゲから頂いた。
「知多市の梅を使って常滑で作られた梅酒」とヒロシゲ出身の「常滑」と今住んでる「知多」ということで選んだらしい。梅酒には詳しくないが、少し飲んでみたところ、非常に上品な味の梅酒に感じた、ありがとう。そして「常滑焼き急須」。
何年か前、とある動画で「常滑焼き」を観た話をヒロシゲに何気なく話した際、「だから、私は常滑出身て言ったじゃないですか!」と若干呆れられた。後日、この急須をヒロシゲから頂いた。毎日使ってます、これからも大切に使います、ありがとう。
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