2025年9月3日水曜日

嘆きの美女

嘆きの美女

著者:柚木麻子
発行:2011年12月30日初版
これまで読んだ著者の作品は『私にふさわしいホテル』『終点のあの子』。本書も女性が主人公なのだが、男の私には想像もできない「女の世界」が垣間見えて楽しい。

物語の登場人物はざっくりと、主人公の池田耶居子(いけだ やいこ)と「その他の美女」という感じ。「美女な人の嘆き」と「美女でない人の嘆き」が描かれているわけだが、物語の面白さは「耶居子のキャラクター」に大いに依存している。詳細はネタバレになるので割愛するが、端的に言えば「耶居子は男っぽい」よな(笑)

「美女」も「良い性格」も客観的には定義できない、その判断基準も「主観的」にしかならない。だからこそ「物語が生まれる」のかもしれないが...。

これまで読んだ著者の物語の中心にあるのは「女の自立」という印象。『終点のあの子』は女子高校生たちの話だが、それでも「自立」というテーマは存在する。そんなテーマで男性作家が書いても、ここまで面白い物語は作れない気がする。

ところで、本編では食事やお菓子の詳細なシーンが豊富。料理が嫌いではないので内容的には面白いのだが、お菓子を食べない私には理解不能な点が多いのは否めない。カップラーメンを含むいわゆる「ジャンクフード」を賞賛してるのだが、食べない私にはやっぱり理解不能。

ここまで記述できるのだから、著者は「ジャンクフード好きなのだろう」と思ってしまう(笑)

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