2025年11月2日日曜日

映画を聴きましょう

映画を聴きましょう

著者:細野晴臣
発行:2017年11月15日初版

細野晴臣と彼らの時代』にも細野さん自身の言葉がたくさんあったが、細野さん自身の著書はこれが初めて。何気に手に取った本だが非常に楽しかった。「映画、たくさん観てるなぁ」が素直な感想だが、それ以上に「細野さんらしい映画の楽しみ方だな」と勝手に思った。

映画を語る人といえば私にとって荻昌弘、淀川長治、そして水野晴郎。当時は子供だったが、ふむふむという感じで解説を聞いたものだ。子供にもわかる解説だったと思う。現代の映画解説者はほとんど知らないが、たまに YouTube でオススメに出る動画を見ても「んー、解説なのか、好みを喋ってるのか意味不明」というのが多い。まぁ、そういう方がウケが良いということなのだろう。

そんな今の解説者よりも、本書の細野さんの「解説」というか「映画の語り方」の方が断然魅力的。細野さんらしく映画音楽への解釈は独特なのだが、「必ずしも映画に音楽は必要ない」という発言は数回あるほど、映画の見方も鋭い。

映画がヒットして、音楽も映画に寄り添ったとてもいい曲や歌が使われており、それ自体も大ヒットしたという、映画と音楽の理想的な組み合わせのほとんど最後の例が、この「バグダッド・カフェ」ではないかと思う。ほかにはせいぜい「ニュー・シネマ・パラダイス」(88年、ジュゼッペ・トルナトーレ監督)ぐらいであろうか。P57

数年前までの長きに渡って、お勧めの映画を聞かれた時は、ニューシネマパラダイス、パリテキサス、ベルリン天使の詩、そして「バグダッド・カフェ」と答えていた。「心が透明になる映画だよ」と言って会社の総務の子に教えたのは15年も前のこと。その子は「うん、本当に透明になったよ」と笑顔で応えてくれた。

今でもすぐに想起できる映画 Bagdad Cafe の印象は「映像と台詞と音楽」のバランスが非常に良い作品ということ。今まで買った映画のサントラで、最もよく聴いたのも Bagdad Cafe のサントラ。

本書を手に取ったタイミングも良かったかもしれない。というのも、最新の映画だけじゃなく、昔見た作品を見直している時だったから。さらに、大昔の作品、特にヨーロッパの作品を物色していた時なので、細野さんのオススメは非常に参考になった。

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