2026年4月19日日曜日

北斎:永田コレクションの全貌公開<二章>

去年の10月のことだが、ツーリングの途中島根県立美術館の北斎コレクションに行った:
浮世絵バイリンガルガイド』の方を読み終えた。タイトルの通り日本語と英語で解説、サイズも小さめで、浮世絵の入門書としてはちょうど良い。そう、浮世絵のことはほぼ知らなかった。むしろ浮世絵に影響された海外からの情報で知った浮世絵のことの方が多いかもしれない。

超基本的な浮世絵のことを知って、改めて展示会のことを振り返る。写真撮影はOKだったので、かなり撮りまくった。普段はそれほど撮らないのだが、今回はあまりにも印象深くて多くの写真を撮った。その幾つかを紹介する。

今回の提示は、北斎の後期の作品の展示:
この展示会向けに作られた「双六風の説明書」:
これは、帰宅してから読んだが、記述してあるように、この説明書を眺めながら展示を楽しむべきだったと後悔。かなり良くできてる、学芸員の方々の熱意も伝わる。
美術館内はこんな感じ:
今となっては少々以前のことになってしまうが、この展示会の印象は深く記憶に刻まれた。なんとなく版画、特に葛飾北斎には興味があったのだが、ここまで強烈だとは想像してなかった。

今回は後期の作品だが、それだけでも北斎の作品の多彩さに圧倒される。一般的には「富嶽三十六景」は有名だが、北斎の長いキャリアから見れば、それは一部に過ぎない。今回の展示には「富嶽三十六景」は含まれていなかったが、むしろそれによって、北斎という画家の全体像に近づけた気がする。

北斎の作品はどれも一目見て「日本的」という印象、いわゆる「絵画」とは異なる。特に「北斎漫画」は、現在の漫画やアニメーションに通じる要素が見て取れる。


永田コレクション
美術品の蒐集についてはほとんと考えたことがなかったが、今回の展示でその意義を痛感させられた。誰かがやらなければ、芸術は残らないし、こうやって楽しむことはできない。

組上絵

当時のプラモデルか?(笑)

文字絵

絵に文字が隠されてます:

読本
いわゆる「挿絵」なのだが、現代の漫画に通じる気がする:

海老図

今回の展示の中で好きな作品の一つ:


北斎漫画

これは本当に印象深い、「漫画」という言葉を改めて考えさせられた。

「漫画」という言葉は、漫が「 気まま・そぞろ・自由」で、つまり「気ままに書いた絵」というのが本来の意味。つまり「スケッチ」ということになり、ストーリーがなく、今でいうところの「漫画」とは違うのだが、北斎漫画を単なる「スケッチ集」とするには言葉足らずな気がする。人だけじゃなく、動物や魚などの生物が、リアリティを持ちながら、どこかコミカルで生き生きしている様は見ていて飽きることはなかった。
「絵の指南書」の役割を担っている。
魚の名称は、ほぼ今と同じなようだ:

花魁図

浮世絵バイリンガルガイド』で花魁のことを改めて知った。花魁は "courtesan" と訳されていた。日本人は "prostitute" と誤解してる可能性があるし、外国人は "geisha" と誤解するかもしれない。浮世絵の題材に選ばれるほどだから、花魁自体が現代の風俗とは違う役割を担っていたと想像できる。

浮世と風俗という言葉がある:

 浮世:価値観・世界観(楽しみ・刹那)
 風俗:現実の生活・習慣

そして「理想化・演出された世界(=浮世)」とも言えて、浮世絵 は:

 風俗を描いているようで、実は浮世を描いている

浮世絵が「江戸の庶民向け娯楽」だったことから色々と想像できて楽しい。現代の日本人と本質的には同じような楽しみをしていたと想像できる。

北斎や浮世絵は今後も楽しみたい。今回の展示はその意味でも良い機会になった。

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