ほぼ毎朝最初に耳にするのは BBC の Global NEWS Podcast、そこで流れた曲は The Rolling Stones の "Get Off of My Cloud", Charlie のドラムが印象的な Stones の初期のナンバーだ。嫌な予感がした...。
2021年8月24日にチャーリーが亡くなると、本人と会ったことすらない何百万という数の人々が、底知れぬ悲しみに打ちひしがれた。60年近いキャリアを記録した膨大な量の画像がSNSに何ヶ月にもわたって投稿され続けた、まるで家族を失ったような気持ちだと言う声もあった。もちろん、チャーリー自身は、こんな大袈裟なことになって、草葉の陰でいたたまれなくなっているに違いない。P.365
私もその「何百万という数の人々」の一人であった。
本書を読みながら、そしてこうやって読後の投稿を書きながら、「Charlie Watts がいない世界」を寂しく思う。特定のドラマーでもっとも聴いたのが Charlie Watss ということになる。中学生の頃から聴いてる The Rolling Stones なのだ、ギターでバンド演奏した楽曲も、今のところは Stones が一番多い。来日公演も10回ほど行ったので、生で聴いたプロのドラマーという意味でも最多。
Stones を聴き始めの頃、貯めたお年玉で当時1万5千円ほどしたVHSビデオ "Let's Spend the Night Together"を買った。かなりの超高額な買い物で、しかも家にビデオデッキもないのに買った(近所の幼馴染の家にビデオデッキがあったから観れたが...)。それほどまでに Stones にのめり込み始めて、特にこのビデオのライブアルバム "Still Life" のレコードは何度も聴いた。
"Still Life" のレコードカバーは二つ折りで、内側はこうなっていた:
これを眺めながら何度も何度も聴いた。当時は「Stones 停止中」であったし、今ほど情報を得るのは難しかった。あったとしても日本人が書いた記事ばかりで、今となっては不正確なものが多かったように思う。今でも覚えているのが、買ったVHSビデの "Let's Spend the Night Together" の裏の解説、もしくは広告記事にあったのが
悪魔が地上に舞い降りた
当時ガキだった私でも「なんじゃこりゃ」となるほど的外れな表現と呆れた。
とはいえ、こんな表現がまかり通るほど The Rolling Stones、あるいは他のロックスターたちは見なされていた時代でもあった。そんな中で Charlie Watts はかなり異質に見えたことだろう。
チャーリーの存在自体、ロック・スターが皆同じような人種ではないことを証明していた。だいいち、彼をロック・スターを呼んでいいものなのか疑問だ。P.32
確かに、Charlie Watts を初めて見てた時に「この人がドラマーなのか?」と意外に思ったのは事実だ。ただ、その音楽を聴くににつれ、そんなことはどうでも良くなった。さらに、私のドラマーの好みが「Jazz に影響されたドラマー」と気付くにつれ、Charlie Watts のドラムはかなり好きになった。
長年の The Rolling Stones ファンではあるが、こうやってメンバーの自伝や評伝を読むのは初めてのこと。本書は、本人の言葉もあるが、家族やバンドメンバー、音楽関係者や知人など、幅広い証言から構成されている。かなり正確に「Charlie Watts とは」が浮き彫りになってるように思う。
60年以上のキャリア経て、今では「ロックは悪魔の音楽」と評する人はいなくなった。一つの確立した音楽としてロックは存在するし、The Rolling Stones の楽曲は残り続けるのは間違いない。少なくとも私の中では。


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