2026年5月6日水曜日

ランチのアッコちゃん

ランチのアッコちゃん

著者:柚木麻子
発行:2015年2月14日文庫初版(単行本:2013年4月19日)
著者の作品は毎度のように一気に読んでしまう。どちらかといえばスローリーダーの私だが、気づいたらガンガン読み進めてしまうのが著者の作品。本書の四つの短編はどれも面白いのだが、あえて一つ取り上げるとしたら「第三話 夜の大捜査先生」。

「82年生まれっていうとさあ、女子高生の頃、めちゃくちゃ注目された世代でしょ?」
(略)
「渋谷、援助交際、たまごっち、ポケベル、ギャルサー、ガングロ。時代のキーワードが、全部女子高生に結びついた時代じゃん」
「わあ、私、全然わからなーい」P.117

主人公より年下の女性が「全然わからなーい」と発したのだが、年上の私も「意味不明」に近い。なんとなく記憶にはあるが「時代のキーワード」というほどの印象が私にはない。当時も「単なる流行の一つ」と軽く見ていただけ。

「時代のキーワード」のごとく騒いでいたのはマスコミだけで、それも「一部の都会での現象」に過ぎなかったのではないか、と推察する。実際に私は目にしたこともない(ポケベルは仕事の関係で持たされた)。

「時代のキーワードが全部女子高生に結びついた時代」が仮にあったとしたら、かなり変な時代であり、異様な社会になってしまう。著者もそのことは認識しているだろうし、だからこそ、その時代を女子高生で過ごした主人公の12年後が物語になるのだ。

学生が主人公の作品は苦手だが、著者の作品は例外だ。とはいえ、本書のように「大人」が主人公の物語の方が好みなのは間違いない。

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